• トップ
  • ニュース一覧
  • 世界の頂点に立ったドイツ黄金世代の夢は終わらない。ノイアーが輝かしいフィナーレへ【EURO】

世界の頂点に立ったドイツ黄金世代の夢は終わらない。ノイアーが輝かしいフィナーレへ【EURO】

カテゴリ:国際大会

中野吉之伴

2024年06月21日

モダンな育成システムの中で育つ

ハンガリー戦で手荒い祝福を受けるノイアー。(C)GES-Sportfoto/Marvin Ivo Güngör

画像を見る

 ドイツ代表が波に乗っている。自国開催のEURO2024で注文通りの2連勝。開幕戦でスコットランドを5-1で一蹴すると、ハンガリーに2-0の完封勝利を収めた。ユリアン・ナーゲルスマン監督が目標に掲げる優勝も十分に期待できる結果と内容だ。

 この好調なチームで躍動しているのが、ジャマル・ムシアラやフローリアン・ヴィルツだ。ともに2003年生まれのアタッカーで、向こう10年はドイツの主力を担ってもおかしくないポテンシャルを誇る。そんな若い世代に多大な影響を及ぼしたジェネレーションが存在する。

 2009年のU-21欧州選手権を制した1986~88年世代だ。マヌエル・ノイアーを筆頭とする、その黄金世代の軌跡をあらためて紐解いてみよう。

―――◆―――◆―――

 ノイアー、マッツ・フンメルス、メスト・エジル、ジェローム・ボアテング、ベネディクト・ヘーベデス、サミ・ケディラ……。2009年のU-21欧州選手権を制したドイツの1986~88年世代が、14年のブラジルW杯優勝の原動力となったのはあまねく知られるところだろう。彼らは00年に始まったDFB(ドイツサッカー連盟)の育成改革による恩恵を受けながら育った世代である。 

 かいつまんで言えば、育成改革とは育成システムやトレーニングのモダン化だ。90年代、それまで三度のW杯優勝を誇る大国として君臨していたドイツは、他国の急速な成長と発展を理解しながらも、自分たちが“旧式化”している事実を受け入れられずにいた。そして94年、98年とW杯でベスト8に終わり、EURO00で屈辱のグループステージ敗退を喫する。内容も乏しく、国民をおおいに落胆させた。

 06年W杯は自国開催ゆえに大きなプレッシャーに晒されたものの、ユルゲン・クリンスマン監督と、その右腕だったヨアヒム・レーブによるチーム作りが奏功して、ドイツ中を熱狂させる3位入賞を果たした。そこから世界の頂をふたたび目指しはじめたドイツにとって、タレントひしめく86~88年組の出現は願ってもないことだった。

【PHOTO】華やかで可憐なスタジアムの華!EUROで躍動する名手たちの妻、恋人、パートナーら“WAGs”を一挙紹介!
 モダンな育成システムの中で育った彼らは、戦術理解とスキルレベルが極めて高く、ドイツにそれまで欠けていたピースを次々と埋めていった。

 足下の技術に優れ、最後尾でリベロの役割も担えるGKノイアーの台頭は世界の常識を覆し、フンメルスとボアテング、ヘーベデスのDFトリオは、ドイツ伝統の対人守備能力だけでなく、最後尾からゲームをコントロールするインテリジェンスも兼備。中盤のダイナモだったケディラは高い守備力に加え、ボックス・トゥ・ボックス型のMFとして攻撃に推進力を持たせ、エジルは創造性豊かなプレーで崩しを担い、チームをひとつ上の次元へ押し上げるほど強烈なインパクトを放った。

 ドイツはその後、二度のU-21欧州選手権優勝(17年、21年)を成し遂げているが、86~88年組ほどの影響力を持ったジェネレーションは出てきていない。所属クラブを見ても、あの黄金世代の偉大さが窺えるだろう。彼らは若くしてバイエルン、ドルトムント、シャルケ、シュツットガルトといったブンデスリーガのトップクラブの主力を担い、勢いそのままに代表チームの中軸となった。そして14年、24年ぶりの世界制覇に貢献するのだ。
【関連記事】
「バカにしている!」ノイアーの財布を拾ったタクシー運転手が“お礼”に憤慨!「俺には4人も子供がいるっていうのに」
「彼の足には純粋な魔法がある」ドイツ代表ムシアラに賛辞やまず。指揮官も大満足「素晴らしい。相手からすれば守るのが難しいと思う」【EURO】
「最悪のスポーツマンだ」「品がない」劇的弾直後にチェコ選手を挑発! C・ロナウドの行動に批判殺到!「メッシはやらない」【EURO】
「使わない理由なんだよ」「理解できない」プレミア22発の英代表MF、まさかの2戦連続出番なしにファン怒り!“パーマー”がトレンド入り「まじで可哀想」
「イングランドのファンは心配しないで」ドイツ代表OBがムシアラの若き日を回想「私も彼を見逃していた」【EURO】

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト 王国の誇りを胸に
    4月10日発売
    サッカー王国復活へ
    清水エスパルス
    3年ぶりのJ1で異彩を放つ
    オレンジ戦士たちの真髄
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト 特別企画
    5月1日発売
    プレミアリーグ
    スター★100人物語
    絆、ルーツ、感動秘話など
    百人百通りのドラマがここに!
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 完全保存版
    1月17日発売
    第103回全国高校サッカー選手権
    決戦速報号
    前橋育英が7年ぶりの戴冠
    全47試合&活躍選手を詳報!
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ