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明治大で節目の10年目を迎えた栗田大輔の尽きない情熱。時代に逆行するような取り組みも「“昭和みたいな経験”をたくさんしてほしい」

カテゴリ:大学

小室功

2024年05月06日

“球際、切り替え、運動量”の三原則

明治大を率いて多くのタイトルに導いてきた栗田監督。大学サッカー界きっての名伯楽は「本当に負けず嫌い」で、頂点への情熱が枯れることはない。写真:小室功

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 大学サッカー界きっての“名伯楽”といって差し支えないだろう。

 母校・明治大を率いて今年、節目の10年目を迎える栗田大輔監督、53歳だ。選手を育て、戦う集団へと鍛え上げ、結果を出し続ける。その卓越した指導力に、誰もが一目置く。

 監督就任からここまでの9年間で、60名あまりの選手をプロの世界に送り出した。単に送り出しただけではない。Jリーグの試合を見ていると、栗田監督の薫陶を受けた“門下生たち”が数多くプレーしていることに気づかされるはずだ。

 そればかりか、室屋成(ドイツのハノーファー)、安部柊斗(ベルギーのモレンベーク)、森下龍矢(ポーランドのレギア・ワルシャワ)、常本佳吾(スイスのセルベット)、佐藤恵允(昨年、大学4年の時点で、ドイツのブレーメンに加入)など、海を越えた面々も少なくない。

 彼らは一様に、栗田監督への信頼と感謝の言葉を口にする。

 2019年、明治大は関東大学リーグ、総理大臣杯、全日本大学選手権といった大学サッカー界の主要タイトルを総なめにした。当時、大学4年生で、チームの中心選手だった前述の森下は「まさにボスという感じ。全力で僕らに向き合ってくれるし、すごく熱い監督です」と語り、こう付け加えた。

「愛のムチじゃないけれど(苦笑)、選手としても人としても足りないところをズバッと指摘してくれます。チームという組織の中で、自分がどうすればいいのか、たくさんのことを学びました。大学1、2年の時の僕は結構、わがままというか、自分の好きなようにプレーしていただけでした。でも、チームの勝利から逆算して、今、どんなプレーをすべきなのか。栗田監督からかけられる言葉の一つひとつが刺さりました」

“シーズン三冠”がかかった19年12月22日の全日本大学選手権決勝は、難敵の桐蔭横浜大(同年の関東大学リーグで、明治大に次いで2位)と激突する。0-0のまま延長に突入し、92分に先手を取られたものの、延長前半のうちに逆転。さらに112分、森下のゴールでダメを押す。
 
“球際、切り替え、運動量”の三原則を掲げる明治大サッカーの底力を見せつけた。試合終了が近づくと、すでに森下の目に涙があふれていた。

“名伯楽”に率いられる明治大がここ9年間で獲得したタイトルは、関東大学リーグ優勝4回(2016年、19年、20年、22年)、総理大臣杯優勝3回(16年、18年、19年)、全日本大学選手権優勝2回(19年、23年)と、他の追随を許さない。

 今シーズンの関東大学リーグも開幕4連勝を飾り、盤石の戦いぶりが際立っている(4試合で総得点18、総失点4)。監督就任10年目を迎えるにあたり、改めてその意気込みを尋ねた。

「14年から実質的に監督を任されていたので(同年に前任者の神川明彦監督がユニバーシアード代表の監督に就任したため)、“今年が10年目だから”といった特別な思いはありませんね(苦笑)。一年一年、どんなシーズンにしようか。そのことばかり考えて取り組んでいたら、いつの間にか10年目になっていた。そんな感覚のほうが強いです」(栗田監督)

「それよりも...」と前置きし、こう続けた。

「今年のチームで、たくさん試合に勝って、できるだけ多くのタイトルを獲りたいです。やはり最後にタイトルを獲ることで、チームみんなで頑張ってきたことが報われますし、周りからも評価してもらえます。自分たちが取り組んできたことが何より正しかったと実感できますからね」

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