ブンデスリーガ第27節、アウクスブルクとのアウェー戦に臨んだドルトムントは、前半に先制を許すも、その後に３点を奪って逆転勝利。首位バイエルンとの勝点差５をキープしてインターナショナルウィークに入った。
 
　リーグ戦では２試合連続となる先発出場を果たした香川は、得点に絡むことはできず、まだスコアが１-１だった62分に交代となった。
 
【試合レポート】アウクスブルク １-３ ドルトムント
 
　このところのドルトムントは前半に苦しみ、後半で勝負を決める試合が多くなっている。前半は相手が集中した守りを見せるため、なかなかチャンスを作れないが、後半になって相手の体力と集中力が切れれば、そこを突けばいい。
 
　この試合のドルトムントも、前半はアウクスブルクの５バックに手を焼いた。ボールこそキープすれど、パスを回せず、危険な場面も作ることができず、先制を許して追いかける展開となった。
 
　トップ下のポジションに入り、DFとMFの間でボールを受けてチャンスメイクを図ろうとした香川だったが、良いかたちでボールを受けることができず。前半の終盤には低い位置まで降りてボールを受けることが多くなったが、選手の距離感が悪く、状況を打開するには至らなかった。
 
　今の香川は、試行錯誤の段階にある。フォーメーションやメンバーが毎試合変わるなかで、複数のポジション、役割をこなせる香川は、色々なところで試されている状況だ。
 
　チームのストロングポイントは、オーバメヤン、ロイス、ムヒタリアンという、速さのある前線３枚の個人の力にある。そんなチームにおいては、香川も自身のスキルアップを意識せざるをえないが、同時に自分のプレーを表現する必要があることも感じている。
 
　トップ下でプレーすることの多い最近では、相手の間でボールを受ける、あるいは味方がボールを受けた時、どのようにサポートをして違いを作るのか、といったところだ。
 
　ただ、相手が集中してスペースを消してくると、それは難しい。
 
「あそこ（トップ下）のポジションでボールを受けるのはなかなか難しいですから。後半は３トップという形になりましたけど、試行錯誤しながらやらないといけない」
 
　そう語る香川は、「監督からのアドバイスにもあった通り、ひとつポジションを落としてみたり、前向きでボールをもらえる状況を作ってみたりと、考えながらやっていかないと」と続けた。
 
　前半戦とはポジションを求められる役割も変わったが、相手も中央を警戒してくるなかで、ストロングポイントを発揮していくのにはどうしても難しさがある。それでも、香川は自身の活きる道を探していかなければならない。
 
　過密日程で慌ただしい日々が続いていたドルトムントだが、インターナショナルウィークで一旦気持ちを入れ替えることができる。しかし２週間後、再開すればまた、週２試合ペースで試合が続いていくことになる。
 
　ゆっくりと考える時間がないなかで、香川はどのように戦っていくのだろうか。
 
現地取材・文：山口 裕平