カタールで開催されているアジアカップで、５度目のアジア制覇を現実にすべく、まずは早めにグループステージ突破を決めたい日本代表。１月19日のイラク戦で２連勝し、インドネシアがベトナムに引き分け以下なら、16強入りのみならず、１位通過も決まるだけに、今回は勢いと強度のある入りを見せたいところだ。

　14日のベトナム戦（４－２）は先制点を奪いながら、前半のうちに２失点するというまさかの展開になったが、森保ジャパンは先に点を取った試合の勝率が非常に高い。イラク戦でもそういう展開に持ち込み、相手の意欲を削ぐことが肝要だろう。

　そこで１つポイントになりそうなのは、イラクの強みと言える左サイドを封じること。売り出し中の19歳の左ウイング、アリ・ジャシムと、変則的なポジションを取ってくる23番の左サイドバック、マーク・クロックの縦関係はかなり脅威だ。

　しかも「ボランチ、ウイング、サイドバックがローテーションしてくるのが印象的」と冨安健洋（アーセナル）も言うように、臨機応変に動きながら守備をかく乱しようとする。

　日本相手にどこまで彼らが主導権を握れるか未知数ではあるが、イラクのストロングを逆手に取った攻めに持ち込みたいところだ。

　ベトナム戦は右サイドハーフに伊東純也（スタッド・ドゥ・ランス）、右サイドバックに菅原由勢（AZ）の右サイドで挑んだが、今回はそれぞれ堂安律（フライブルク）、毎熊晟矢（C大阪）のコンビでスタートする可能性が高そうだ。

　彼らは昨年９月のトルコ戦、11月のミャンマー戦で縦関係を形成。前者では２人が絡んで伊藤敦樹（浦和）の先制弾をお膳立てするなど、いきなり相性の良さを発揮。後者でも息の合ったコンビネーションから上田綺世（フェイエノールト）のチーム３点目を演出しており、今回もゴールに直結する決定的な仕事が期待される。
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「相手がかなり食いついてくるので、ワンツーとかワンタッチで剥がすとか、フリックとかはかなり有効になる。逆にこねてると、足もとをかっさらわれてショートカウンターを食らうので、そこは気をつけたいです」と、堂安も狙い目をハッキリさせていくという。

　ご存じの通り、イラクは前へ前へというマインドの強いチーム。そのアグレッシブさが売りではあるが、日本にとっては突きどころでもある。

「日本よりもハングリー精神は間違いなくあるので、そこを上手くいなせればいい。自分は性格的にイラっとしちゃうことが多いので、中東勢とは愛称が良くなかったと思いますけど、いろいろ経験して、いなす能力がついてきた。上手く対応したいです」と背番号10は目をギラつかせた。

　そういう駆け引きが、この試合では非常に重要になってくる。トップ下に南野拓実（モナコ）が入るのか、久保建英（レアル・ソシエダ）が入るのかは不確定ではあるが、どちらとも近い距離でポジションを入れ替えながらプレーできる。

　高度な連係・連動を見せ、堂安自身がゴールを決めるといった形に持ち込めれば理想的である。

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