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シリア戦で際立った森保Jの試合巧者ぶり。前回の2次予選よりも隙がなくなり、選手層の厚さも増している

カテゴリ:日本代表

加部 究

2023年11月22日

本当にW杯の優勝を目ざすなら…

日本はW杯アジア2次予選でシリアと対戦。5-0で快勝を飾った。(C)Getty Images

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[W杯アジア2次予選]日本 5-0 シリア/11月21日/ジッダ(サウジアラビア)

 総括すれば、バレンシア時代に2年連続してUEFAチャンピオンズリーグで決勝進出を果たし、現在はシリア代表を指揮するエクトル・クーペル監督の「日本は勝つ方法を知っている」という言葉を裏付ける試合となった。

 4-1-4-1のシリアは、序盤こそ前からプレッシングを仕掛ける姿勢を見せたが、10分過ぎからはミドルゾーンで待ち構え、やがてペナルティエリア内を人で埋める戦い方に落ち着いた。

 さすがに日本も、ゴール前を固めてくる体格の良い相手への打開策を探り出すのに30分間余りを要し、最初の決定機を阻まれた上田綺世あたりからは、少なからず焦燥の色も見て取れた。

 しかし久保建英が引き過ぎた相手への特効薬、ミドルシュートで均衡を破ると、そこからは一気呵成に畳みかける。

 37分には左サイドで伊藤洋輝が浅野拓磨を外から追い越し、逆サイドまで振ると、シリアDFが完全にボールウォッチャーになり、伊東純也の頭での折り返しを上田が2点目。この時間帯あたりからボールを動かすテンポも上がり、シリアも少しずつ間延びをしてマークの密着度も薄れ、しっかりと主導権を握った日本は前半だけで3点。後半開始早々にもFKから菅原由勢が4点目を奪い、完全に勝負を決めた。

 ドイツやトルコ、さらには引いたチュニジアに対しても同様だったが、今の日本は際立って試合巧者に映る。大前提として相手に有効な攻撃を許さない守備があるわけだが、一方で圧倒的な得点効率の良さが連勝街道を支えている。
【動画】久保建英のゴラッソ
 シリア戦は、プレー可能な選手の中で森保一監督が考えるベストメンバーを送り出したはずだが、当然ながらミャンマー戦より連係等の精度が高く、シリアは69分に右からのクロスを交代出場したマルディク・マルディキアンが頭で叩いたのが唯一のシュートだったはずだ。それでも早いタイミングでロングボールを駆使して計6本のクロスを入れてきたが、鈴木彩艶が終始、危なげなくハイボールを処理して正GKへの定着をアピールした。

 もちろん日本は、前回のワールドカップ・カタール大会の2次予選も8戦全勝で首位通過を果たしている。しかし計46ゴールを奪いながら、ラスト2戦のホームゲームではタジキスタンとキルギスに1ゴールずつを許しているので、それに比べればますます隙がなくなり、選手層の厚さも増している。

 そして、だからこそ本当にW杯の優勝を目ざすなら、適切なマネージメントが求められる。今回のように日本(東アジア)で1試合、中東で1試合を行なう日程なら、欧州組を日本に呼ぶ必要はなかった。ホームのミャンマー戦は国内組で十分だし、むしろミャンマー戦でも貴重な経験になる選手を使うべきだ。逆に欧州組はシリア戦だけに絞れば、長めの大陸内移動程度の負荷で済んだ。

 もはや欧州組が大半を占める現状を考えれば、中東と東アジア開催の試合では、ターンオーバーを避けて通れない。今後はテストマッチも含めて中東開催が増えてくるはずで、おそらく彼の地で戦うほうが対戦相手も強豪になる。

 一方で東アジアには、欧州組の力を借りないと勝てない相手は韓国くらいしか見当たらない。近隣国での試合には、国際試合を経験し難いJリーガーを積極的に起用し、逆に欧州へのリクルートの機会を提供するくらいのビジョンが欲しい。

 おそらく元旦のタイ戦は、その試金石になるのだろうが、主力組を追いかけて次々に新顔が日の丸を背負い、高いレベルに身を置くサイクルを重ねていく。それがJリーグの活性化にも、王国への道にも、繋がっていくはずである。

取材・文●加部究(スポーツライター)

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