来季から神戸でプレーするMF山内翔（筑波大／４年）が、約４年ぶりの国際舞台に強い決意を持って臨む。

　第19回アジア競技大会で、９月20日にU-24カタール代表との初戦を迎えるU-22日本代表が、15日から活動をスタートさせた。16日に開催地の杭州（中国）へ向かうため、国内でトレーニングできるのは15日だけ。この日は週末のJリーグに出場しない大学生を中心に10名の選手で練習を行ない、パス回しなど軽めのメニューで汗を流した。

　大岩剛監督が率いるチームは、９月６日から12日までパリ五輪の一次予選を兼ねたU-23アジアカップ予選を戦ったそれとは異なる。リーグ戦の開催期間ということもあり、アジア競技大会のメンバーは、この世代のラージグループの選手が中心。練習前には50分ほどミーティングを実施するなど、チームコンセプトの落とし込みに時間を割いた。

　初めて大岩ジャパンでプレーする選手が多いなか、ジョギングなどで先頭を走ってチームを引っ張ろうとしていた選手がいる。筑波大でキャプテンを務める山内だ。

　神戸U-18でプレーしていた頃から世代を牽引する選手として注目を集め、高校３年生だった2019年にはU-17ワールドカップに出場した経験を持つ。しかし、トップチーム昇格を勝ち取れず、大学へ進学。筑波大では１年次から活躍し、セントラルMFとして強度の高いプレーや卓越したゲームメイクで違いを作ってきた。
 

　しかし、大学に入ってからは代表と縁がない。何度かU-20日本代表の候補合宿には招集された一方で、昨年３月に立ち上がった大岩ジャパンからは一度も声が掛かっていなかった。

　2019年のU-17W杯で共に戦ったGK鈴木彩艶、MF藤田譲瑠チマ（ともにシント＝トロイデン）、DF畑大雅（湘南）、DF鈴木海音（磐田）、MF三戸舜介（新潟）はパリ五輪を目ざすチームでコアメンバーとして常時名を連ねていただけに、悔しさはある。

　彼らは今回のU-23アジア杯予選でメンバー入りしており、今までは旧友たちの活躍を見ることしかできなかった。だからこそ、今回のアジア競技大会は自分の可能性を示す場となる。山内は言う。

「山田大樹（岡山）や、筑波大のチームメイトでもある角昂志郎とはU-17のワールドカップやその最終予選で一緒にやってきた。そのメンバーとまたできるのは本当に嬉しいです。でも 今回来ているメンバーは、彼らだけじゃなくてアジア競技大会に臨む全員が、今回１次予選に参加したメンバーのところに食い込んでいきたいという想いを持った選手が多いはず。やるべきことをやって、アジア競技大会に、これまで懸けてきたものを個人としてもチームとしてぶつけていきたい」

　U-23アジア杯予選を戦ったメンバーを追い掛ける立場。その認識を保ちつつ、日本代表の誇りを持ってアジアの頂点を目ざす。

【PHOTO】ベルギーのヘンクに集結！トルコサポに負けない声援を送り続けた日本代表サポーターを特集！