中国メディアの『騰迅体育』がユニークな見出しを立てて、ひとつの特集記事を組んだ。ずばり、「日本のワールドカップ優勝が先か、中国代表のワールドカップ復帰（出場）が先か」。SNS上のサッカーファンの間でにわかに議論されているのだという。
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　９月の欧州遠征で日本代表はドイツを４－１、トルコを４－２で下して２連勝を飾った。とりわけドイツ戦のハイパフォーマンスが日本のみならず世界でも称賛され、さらに声価を高めた印象だ。かたや中国代表はチーム強化に苦しんでいる。格下マレーシアに１－１で引き分け、シリアにも０－１で敗れてしまう。セルビア出身のアレクサンダル・ヤンコビッチ監督はシリア戦後、「運が悪くて勝てなかった」と発言して物議を醸した。

　そうした流れを受けて『騰迅体育』は冒頭の記事を掲載。「かつては冗談のように思えた比較だが、いまでは極めて現実的な話と言っていいだろう。冷静に考えればワールドカップのアジア出場枠は4.5から8.5に増えるわけで、中国はアジアで上位８位までに入ればいい。かならずしも過酷なミッションではない。それでも、どこか達成が困難なものに思えてしまうのだ」と説明した。

　さらに同メディアは日本代表を「アジアの枠を飛び越える光を放ち、世界のサッカー界で輝き続けている」と称え、久保建英（レアル・ソシエダ）、三笘薫（ブライトン）、遠藤航（リバプールをはじめとした多くの代表選手が欧州トップレベルで活躍している点を強調した。

　加えて、日本サッカー界が掲げる「100年構想」にも言及。「1996年、日本サッカー協会の川淵三郎会長が100年構想を打ち出した。彼らの想定によれば、2050年頃がワールドカップ優勝の目標期限。成長の速度が速まるなか、これからまだ27年もある」と感服した。
 

　先日中国で開催された「EAFF U15 男子選手権 2023」で、U-15中国代表はU-15日本代表と決勝で対戦し、０－０からのPK戦を制して優勝を飾った。チームを率いたのは日本人指導者の中村雅昭氏。『騰迅体育』は「現在の我々はイタリアやドイツ、フランス、スペインから学ぶ必要はない。日本から学べばいいのだと、U-15大会の成功が証明している」と論じ、「技術的、戦術的な特徴を学ぶだけでなく、しっかりとした理念を構築し、それを100年貫くための忍耐力を学ばなければならない」と訴えた。

　そして最後に「まずは代表監督の人選からだ。ヤンコビッチ監督は経験豊富とは思えないほどビジョンがなく放任主義だ。話にならない」と断じ、「20年前はまだ近くにいた日本サッカーが、いまやそのテールランプさえ見えなくなった。違いは彼らが有名な格言である『来た、見た、勝った』を実践しているからである」と書き添えた。

　今月下旬には中国・杭州でU-24世代が参戦するアジア大会が開催され、11月には北中米ワールドカップのアジア予選がスタート。そして2024年１月13日にカタールでアジアカップが開幕する。日本はＤ組でイラク、ベトナム、インドネシアと、中国はＡ組でカタール、タジキスタン、レバノンとグループステージを戦う。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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