長きに渡り、なでしこジャパンを牽引し、伝統の10番も背負った岩渕真奈が９月８日、現役引退会見を実施。中盤にはサプライズで澤穂希さんが花束を持って駆けつけた。

　2011年のワールドカップを共に制し、自身は得点王＆MVPに輝いたスーパーレジェンドは、会見開始直後から涙が止まらない後輩を見るや、「つられる！」とツッコミ。そして、温かい眼差しで愛に溢れたメッセージを送った。

「一緒の時代に、一緒にサッカーができて本当に幸せでした。家族同様に、苦楽を共にして、2011年のワールドカップ優勝や、2012年のロンドン五輪も準優勝と、本当に輝かしい現役生活を一緒に過ごせたことを誇りに思います。まずは心と身体をゆっくり休んでもらって、また今後、日本のサッカー界のために一緒に頑張っていけたらいいなと思います」 

　さらに、特に印象に残っている思い出を問われると、「たくさんあるけど…」と前置きしたうえで、2015年のワールドカップの際のものを選んだ。
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「私はベンチから見ることも多くて、いつもブッチーの隣に座って、『自分が出たらこういうプレーを心掛けたいね』とか、試合の状況を見ながら２人で色んな話をしてたんですけど…なんか結構私、『あ、今日この人、点を入れそうだな』って第六感で（予想して）、本当にずっと当ててたんですよ。不思議なぐらいね。

『今日はブッチーの日じゃない』とかもあったけど、オーストラリア戦で『今日なんか、ブッチー出たら点取るよ』って。なんかそういうのがあって、そしたら本当に（点を取った）」

　岩渕も“澤の大予言“は鮮明に記憶しているようで、「この人はなんかもう、サッカー以外の能力も持ってるのかって。でもそれがパワーにもなったし、澤さんが言ってくれてるから本当に頑張れたのはあるので、澤さんの予言力もありますけど、自分の力でもあるかな（笑）」と場を盛り上げた。

　ちなみに、大成功に終わったサプライズにはちょっとした裏話も。大先輩が去った後、岩渕は「打ち合わせの時に（スタッフが）『この台本で大丈夫ですっ』みたいな感じで。自分だけ台本が薄いな、何かあるのかなと思いながらも嬉しいです」とニヤリ。ストライカーの嗅覚で、ある程度、察しは付いていた？のかもしれない。

取材・文●有園僚真（サッカーダイジェストWeb編集部）

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