14歳でトップリーグデビューを飾り、女子サッカー界の第一線を走り続けた岩渕真奈が９月８日、現役引退会見を実施した。

　注目のセカンドキャリアに関しては、「指導者をという話をよく言われるんですけど、サッカーを口で伝えるのは苦手なタイプなので、今、自分自身がなれる自信は正直ないです」と発言。それでも「女子サッカーの発展や成長のために何か貢献はしたい」と思っているようで、現在進行中のプロジェクトについて熱く語った。

「10月にスペインに行くプロジェクトがあります。若い子どもたちに向けて、何かできる機会をもっともっと増やしていけたらなと。『HER TEAM』プロジェクトに関しては…やっぱりサッカーは首都圏というか、大きい街に強いチームがあるなかで、女子サッカーの成長を考えたら、色んなところに女子サッカーチームがあるのがベスト。何から始めたらいいか分からないとよく聞くので、このプロジェクトにものすごく共感して、一緒に何かをやれたらいいなと思っています。

　あと、子どもたちのサッカーで言うと、女子の全国大会。アンダー12の小学生の全国大会が今、開かれていない状況なので、そこは自分が声を上げて。自分は目標があることで頑張れてきたので、ちっちゃい女の子たちにも、何か１つでも目標の選択肢を与えられるような、そういう活動ができたらなと思っています」
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　サッカー以外では、元女子レスリング選手の登坂絵莉さん、現役女子テニス選手の穂積絵莉と共に、一般社団法人を設立する方針を発表。「２人の絵莉と一緒に、スポーツを通して人生を豊かにしてもらいたいテーマを持った活動をしようと思っています」と説明した。

「自分が卒業した武蔵野東小学校には自閉症の子たちのクラスがあって、小学生からそういう子たちと関わる機会があったなかで、スポーツで豊かにしてもらいたいと考えた時に、勝ち負け以外にも色んなことで豊かにできると思っていて。仲間を増やすだったり、できないことができるようになるって、そういう楽しさを本当に色んな人に知ってもらいたいので、それは１つ力を入れてやっていきたい活動です。

　健常者のサッカー以外にも７種類のサッカーがあるのを見た時に、本当にそういう場に触れ合う機会が少なかったり、知られてないって自分は思ったので、何か１つでも、色んな人たちに何かしら、楽しさだったりを知ってもらえたらいいなと。今後、そういう活動を２人とやっていきたいなと思っています」

　なでしこジャパンの元エースは、大きな夢を持って次のステージへ歩みを進める。

取材・文●有園僚真（サッカーダイジェストWeb編集部）

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