［インターハイ決勝］ 桐光学園２（６PK７）２明秀日立／８月４日／花咲スポーツ公園陸上競技場

　明秀日立（茨城）は８月４日、インターハイ決勝で桐光学園（神奈川）と対戦。２－２で突入したPKの末に７－６で勝利して、初優勝を果たした。

　激戦を制しての栄冠だった。前半11分に柴田健成のゴールで先制すると、同19分にも柴田の得点でリードを奪う。だが、同32分に１点を返されると、後半16分には同点弾を決められてしまう。その後、延長戦でも決着をつけられず、迎えたPK戦も７人目までもつれた。

　チームを牽引してきたキャプテンのDF山本凌は、「難しい試合展開だったんですけど、２失点したタイミングでも、相手に３点目を入れさせないように、ディフェンスラインが集中して守り切れました」と振り返った。

　明秀日立は、大会前の７月に練習試合で桐光学園と対戦して３－１で勝利している。その時とは相手の戦い方が違ったという。

「下からどんどんつないで、回して来て、自分たちがブロックを引かざるを得ない感じでした。今回は、フォワードの宮下（拓弥）選手に（ボールを）当てて、サイドからドリブルしてきて。戦った感じは、前回と全然違いました」
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　また、前回の対戦時とは印象が違ったという相手の10番・松田悠世には、再三ドリブルで突破を許して、同点弾を決められた。が、その後は何とか抑え込んだ。

「全く別人みたいな感じで、剥がされる場面も多かったですけど、ボランチのプレスバックなど、上手く行けて２、３人で止めに行くシーンがあったので、対策はできていたと思います」

　PK戦では、通常の５人目までに勝負が決まれば回ってこない６人目のキッカーを務めて、ゴール左に決めた。PKが得意ではないというが、萬場努監督の「強気で行け」という指示を受けて「しっかり入れました、強いシュートを打とうと思っていて、入って良かったです。程よい緊張で、楽しもうと思って臨めました」と胸を張った。

　今大会、チームは１回戦で静岡学園（２－１）、３回戦で青森山田（１－０）と、全国トップクラスの強豪を撃破して勝ち上がってきた。主将は、組み合わせが決まった時の心情を、素直に明かした。

「日本一になりたいと思っていましたけど、1回戦で静岡学園を見た時は『マジか。勝ち上がっても山田か。凄いブロックに入ったな』と思いました。山田以降が見られなくて。それで精一杯みたいな感じでした。３回戦まで勝って、そこからの景色を見られるのは想像できていなかったです」

　夏の日本一に輝き、今後は全国の高校からマークされる存在となる。

　山本は「全国大会では自分たちは全ての試合をチャレンジャーの形で戦ってきました。優勝して周りのチームが向かってくる。そこで、待ち構えるのではなくて、自分たちの良さの前から強くいくところで、制していければ良いと思います」と、意気込んだ。

取材・文●野口一郎（サッカーダイジェストWeb編集部）

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