「僕も小さいから、身体の使い方を参考にさせてもらってきました」
東福岡の右サイドバック・林雄都が、大先輩であるインテルの長友佑都に一歩近づいた。
【選手権PHOTOハイライト】埼玉/決勝 東福岡×國學院久我山
林の身長170センチ、体重67キロは、長友が明治大からFC東京入りした時とまったく同じ(現在の長友のプロフィールは68㌔)。加えてプレースタイルも似ている。力強い守備で相手を弾き返し、献身的にアップダウンを繰り返す。右ウイングの三宅海斗をフォローし、36分にその三宅が決めた先制点の起点にもなった。62分にはオーバーラップから精度の高いクロスを放って、CF餅山大輝の決定的なヘディングシュートにつなげた。
林と長友。スタンドから見た印象は、まさに瓜ふたつだった。
02年から04年度まで東福岡に在籍した長友は、主にボランチでプレーしていた。3年時には全国選手権の舞台に立ったが、初戦で市立船橋にPK戦の末に敗れている。
大先輩である長友の存在について、林は照れるように言った。
「はい、意識しています。プレーを参考にしてきました。身体の入れ方が、とても上手い。僕も小さいので『どうやっているのかな?』とプレーを動画などで何度も見させてもらっています」
その長友からはインターハイ優勝、今回の決勝前など節目にメッセージが届いた。今回の優勝決定後にも、ツイッターで「日本一! 東福岡高校おめでとう。僕の大きな夢であった選手権優勝を成し遂げた後輩たちに敬意を表します」など、喜びの声が届いた。
林は豪快なオーバーラップを武器としてきた。しかし守備に課題を抱え、優勝した夏のインターハイでは、大会途中からレギュラーを外されたこともあった。
「そこから守備を強化してきた。ちょっとでも調子を落とせばレギュラーを奪われ、それを取り返すのも難しくなる。そういう高いレベルの競争のなかだからこそ、こうして成長できた」
今大会は全6試合にフル出場。チームに不可欠な存在としてフル稼働した。
「決勝の國學院久我山は勢いがあったので、まず自分も攻撃参加を抑えて、守備に重点を置いて臨みました。DF陣で『脇野(淳至)を日本一のGKにしよう!』と声を掛け合っていたんです。だから無失点で勝てて良かったです」
そう言うと、林は嬉しそうに笑った。
それは彼が『日本一のSB』になったことも意味する。きっと長友が欧州のトップレベルでプレーし続けてきたことも、林の成長を少なからず“アシスト”してきたに違いない。
大学に進学するという林は、これからも大先輩を追い掛け続ける。その背中はまだかなり遠いが、確実に近づいた。
取材・文:塚越 始(サッカーダイジェスト編集部)
【選手権PHOTOハイライト】埼玉/決勝 東福岡×國學院久我山
林の身長170センチ、体重67キロは、長友が明治大からFC東京入りした時とまったく同じ(現在の長友のプロフィールは68㌔)。加えてプレースタイルも似ている。力強い守備で相手を弾き返し、献身的にアップダウンを繰り返す。右ウイングの三宅海斗をフォローし、36分にその三宅が決めた先制点の起点にもなった。62分にはオーバーラップから精度の高いクロスを放って、CF餅山大輝の決定的なヘディングシュートにつなげた。
林と長友。スタンドから見た印象は、まさに瓜ふたつだった。
02年から04年度まで東福岡に在籍した長友は、主にボランチでプレーしていた。3年時には全国選手権の舞台に立ったが、初戦で市立船橋にPK戦の末に敗れている。
大先輩である長友の存在について、林は照れるように言った。
「はい、意識しています。プレーを参考にしてきました。身体の入れ方が、とても上手い。僕も小さいので『どうやっているのかな?』とプレーを動画などで何度も見させてもらっています」
その長友からはインターハイ優勝、今回の決勝前など節目にメッセージが届いた。今回の優勝決定後にも、ツイッターで「日本一! 東福岡高校おめでとう。僕の大きな夢であった選手権優勝を成し遂げた後輩たちに敬意を表します」など、喜びの声が届いた。
林は豪快なオーバーラップを武器としてきた。しかし守備に課題を抱え、優勝した夏のインターハイでは、大会途中からレギュラーを外されたこともあった。
「そこから守備を強化してきた。ちょっとでも調子を落とせばレギュラーを奪われ、それを取り返すのも難しくなる。そういう高いレベルの競争のなかだからこそ、こうして成長できた」
今大会は全6試合にフル出場。チームに不可欠な存在としてフル稼働した。
「決勝の國學院久我山は勢いがあったので、まず自分も攻撃参加を抑えて、守備に重点を置いて臨みました。DF陣で『脇野(淳至)を日本一のGKにしよう!』と声を掛け合っていたんです。だから無失点で勝てて良かったです」
そう言うと、林は嬉しそうに笑った。
それは彼が『日本一のSB』になったことも意味する。きっと長友が欧州のトップレベルでプレーし続けてきたことも、林の成長を少なからず“アシスト”してきたに違いない。
大学に進学するという林は、これからも大先輩を追い掛け続ける。その背中はまだかなり遠いが、確実に近づいた。
取材・文:塚越 始(サッカーダイジェスト編集部)