［J２第25節］町田２－２東京V／７月９日／国立競技場

　FC町田ゼルビアは、７月９日にJ２では初めて新国立競技場で試合を開催。東京ヴェルディと２－２の引き分けた一戦には、３万8402人もの観客が集まった。

　町田にとって従来の最多だった１万444人を、大幅に更新。過去に記録された新潟の４万2223人と札幌の３万9243人にこそ及ばなかったものの、横浜FCの３万6945人やFC東京の３万5911人を上回り、“J２の関東開催で歴代最多”となった。

　当初は町田GIONスタジアムで開催予定だった東京V戦は、５月29日に国立開催が発表された。“J２の関東開催で歴代最多”の入場者数を達成するまで、運営面ではどのような経緯があったのか。

　東京V戦後に取材に応じた町田の岡田敏郎運営・広報部長は「プロモーションで、新宿駅や小田急線の町田駅でポスターを露出して、SNSではビジュアルを作りました。プロモーションは、クラブ全体で、対国立用でチームを作ってやらせていただきました」と振り返る。

　大舞台を前に苦労が多かったのではないかと尋ねると、前向きな言葉が返ってきた。

「初めての、これだけ大きいスタジアムでの運営でしたので、やっぱり分からないことは多かったです。ただ、色々なクラブでの経験を持っているスタッフもいますし、何より代表取締役社長兼CEOの藤田(晋氏)もそうですし、代表取締役COOの上田(武蔵氏)を筆頭に、前向きにポジティブにチャレンジしようという雰囲気が、会社全体でありました。

　もちろん大変でしたし、不安なことは多かったですけど、それ以上にポジティブにチャレンジしようという機運のほうが強かったです。総じてポジティブで、あまり苦労という言葉ではないと思っています」
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　多くの観客を集めた成果は「クラブとしてはすごく大きな一歩を踏み出せました」として、感謝の言葉を口にした。

「本当に多くの方の支えや、色々なご支援があって国立競技場で開催できたことに、感謝を申し上げたいです。特に清水エスパルスさんには、本当であればJ２初開催が来週だったにもかかわらず、私たちのほうが先にやらせていただきました。その意味で、本当にたくさんの方に感謝を申し上げたいです。

　３万8000人という非常に多くの方にお越しいただいた。FC町田ゼルビアという街クラブから作ってきたチームが、ナショナルスタジアムで試合ができたことは、本当にクラブとして大きな一歩だったと思っています」

　成功を収めたが、気を緩めている様子は見られなかった。岡田氏は、「この一歩を止めずに、しっかりと私たちとしても謙虚に、感謝の気持ちと謙虚な心を忘れずに、次にまたチャレンジをしていきたいと思います」と今後に目を向けた。

取材・文●野口一郎（サッカーダイジェストWeb編集部）

似て非なるチャレンジとギャンブル。J２町田の黒田監督が語気を強めて指導。首位ターンも慢心なし。さらなる伸びしろも感じさせたワンシーン

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