那須大亮氏のYouTubeチャンネルで、新企画「消えた天才」がスタート。第１回目のゲストに、田原豊氏が登場した。
【動画】新企画「消えた天才」に田原豊が登場！
　田原氏は鹿児島実高を卒業後の2001年、横浜でプロキャリアをスタート。その後は京都、湘南、横浜FC、タイのサムットソンクラームを渡り歩き、最後は鹿児島で現役生活に幕を下ろした。

　J１・J２通算で303試合に出場し、62点を記録。プロとしては十分な実績を残している。ただ、高校時代には超高校級ストライカーとして注目を集めた逸材で、鹿実の先輩である那須氏は「海外組、日本代表を背負って、というポテンシャルがあった人」と評価していた。

　結果的には、那須氏が想像したとおりにはならなかったが、田原氏は自身のプロ生活を振り返り、「今までやってきたことに後悔はない」と語る。一方で「ああすれば良かった、こうすれば良かった、みたいな反省の気持ちは持っている」とも。

「たとえば...」と切り出し、プロ１年目の開幕戦の記憶を紐解く。期待のルーキーは神戸戦にベンチ入り。スコアレスで迎えた85分、城彰二との交代で途中出場する。当時はVゴール方式が採用されていて、チームは延長前半に失点し、０－１で敗れた。

　この試合、田原氏がヒーローになる可能性があった。

「ハーフウェーラインぐらいで、自分がポストプレーでキープして。シジクレイだったかな、寄せに来てたんだけど、吹っ飛ばして、そのままドリブルで行って、キーパーと１対１。要は決定機を迎えました、と」

　これを決めていれば、Vゴールで横浜が勝利していたが、田原氏は絶好のチャンスをモノにできなかった。

「舞台は揃っていたんだけど、そこで外してしまった。それが、最初のしくじりじゃないかなと思っていて。そこで決めていれば、たぶんマリノス自体も残留争いから抜けていただろうし、個人的にももうちょっと自信もついて、飛躍したのかなって思う部分もある」
 

　那須氏は、田原氏と共に出場したトゥーロン国際大会を振り返る。日本は準決勝でイタリアに敗戦。田原氏は相手DFに抑えられたが、そのイタリアの屈強なDFに対し、決勝の相手ブラジルのアドリアーノは余裕でプレーしていたという。

「それを見て、彼（田原氏）は泣いた。『すみません、僕の責任です』って言って。あの涙が忘れられなくて」

　田原氏は「俺、泣いたの!? まさかでしょ。そんなことする俺？」と驚き。那須氏は「こいつは伸びるぞ！ と思って」とコメントすれば、田原氏は「伸びてないけどね」と言って笑いを誘った。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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