「コンディションは人生のなかでも良いほうです」

　経験豊かなDFが、新天地でキャリア最高の輝きを放つかもしれない。

　７月３日、鹿島アントラーズから湘南ベルマーレへの期限付き移籍が決まったキム・ミンテ。2015年に韓国の光云大学を卒業後、当時J１のベガルタ仙台に加入すると、その後は北海道コンサドーレ札幌、名古屋グランパスを経て、昨季鹿島に加入した。

　昨季は21試合に出場し、１得点をマーク。まずまずの成績を残したが、今季はここまでリーグ戦の出番はなく、ルヴァンカップ４試合と天皇杯１試合のみの出場に留まっていた。苦しんだシーズン前半戦を、キム・ミンテはこう振り返る。

「試合に出られないのもそうですが、最も苦しかったのは、自分のコンディションが良いのに使ってもらえないこと。自分のパフォーマンスが悪くて出られないなら、納得して頑張っていけますが、その点で難しさがありました」

　新天地の湘南はここまでのリーグ戦で最下位と、厳しい時間を過ごしている。特に課題を抱えているのは、守備面だ。19試合を終えて、クリーンシート数はいまだに０。後半戦の巻き返しへ、キム・ミンテに白羽の矢を立てた形だ。

　チームがキム・ミンテに期待しているのは、当然、ディフェンス面の強化だろう。湘南の守備は前線からの連動したプレスが肝であり、最終ラインの選手だけに失点の要因を求められないが、ロングボールやクロスへの対応に四苦八苦していたのも事実。187センチの長身とスピードを兼ね備えるCBの加入で、リーグワーストの42失点を喫している現状をなんとか打破したい。
 

　キム・ミンテ自身は新天地での役割について「スピードや高さ、強さを見せたい」と語ったほか、守備以外でもチームに貢献できるとも話している。

「攻撃面でも、一発で裏を狙えるフィードや運ぶプレーはミシャさん（ペトロヴィッチ監督／札幌）から教わったので、ほかの選手との違いを見せたいです」

　加えて、「僕は（ソン・）ボムグンのひとつ前のポジションなので、彼とのコミュニケーションや、ほかの選手との間に入ることも含めて自分の役割だと思っています。先輩としてしっかりやっていきたいです」とも語る。韓国代表GKでもある守護神ソン・ボムグンとストレスなく意思を伝達できる点も、チームにとって非常にポジティブな要素となりそうだ。

　Ｊリーグの移籍ウインドウが７月21日まで開かないため、新天地でのリーグ戦デビューは最速で８月５日の22節・サンフレッチェ広島戦となる。

「同じく８月まで出られない（田中）聡君と一緒に、１か月でチームにフィットして、力になりたいです」

　静かに闘志を燃やす29歳は、湘南を救えるか。

【PHOTO】湘南ベルマーレの歴史を彩った名手たちと歴代ユニホームを厳選ショットで一挙紹介！

【PHOTO】熱い想いを胸に選手を後押しし続けた湘南ベルマーレサポーターを特集！

「無闇に判定批判をするよりも…」日韓戦“悪夢の５連敗”に韓国メディアが根深い改善点を指摘！「さらに日本との差が広がりかねない」

「日本の真珠をあまりに安く、慌てて売却した」「ミスを犯した」久保建英を手放したマドリーの“失策”をスペイン紙が糾弾！「今頃、アンチェロッティのチームにいたかもしれない」