【高校選手権】東福岡 0(4PK3)0 市立船橋|総体決勝のリベンジは成らず。「市立船橋は強い」と敵将をうならせるも、千葉の名門がPK戦で涙
カテゴリ:高校・ユース・その他
2016年01月03日
夏と同じくPK戦で敗れたが…。

チャンスは「夏の3倍くらい」作ったが、ネットは揺らせず。市立船橋は無念にも3回戦で大会を去った。 写真:徳原隆元

東福岡のGK脇野がPK2本をストップし、チームをベスト8に導いた。 写真:徳原隆元
結果だけが付いて来なかった。
市立船橋の主将を務めたMF椎橋慧也は「悔しい、だけ。結果がすべて。内容がどうこうじゃない。最後に勝ったチームは、東福岡。なにを言っても、負けは負け」と言葉を絞り出した。
市立船橋はこの選手権3回戦で、夏のインターハイ決勝で敗れた東福岡への雪辱を目指したが、夏と同じくPK戦の末に敗れた。
力は出し切った。内容は、前進した。勝利に大きく近付いた。
朝岡隆蔵監督は「この試合に関して言えば、できることはすべてやった。今でも後悔はない。選手の起用に対する失望もない。失敗したなと思わない。ただ、残念というひと言」と死力を尽くした一戦を振り返った。
前半は、東福岡がボールを持つ時間が長かったが、市立船橋は堅実な守備で応対し、カウンターを中心に反撃した。
前半21分にビルドアップからサイドチェンジを受けたCB杉岡大暉がドリブルで素早く持ち上がり、横パスをトップ下の高宇洋がスルーしてFW矢村健がシュートを狙う好機を作り出した。
前半36分には東福岡のパワフルなFW餅山大輝に手を焼き、決定機を作られたが、GK寺尾凌が好セーブを披露。後半はMF工藤友暉のFKを杉岡が頭で合わせてクロスバーを直撃する場面や、後半終了間際に右からのクロスを途中出場のFW永藤歩が空振りする場面など決定機も作り出した。
工藤は「チャンスの数は、夏の3倍くらいはあったと思う。でも、そこで決め切れなかった」と虚しさが漂う手応えを語り、杉岡も「最後の最後で、このチームの1年間の課題が出た。決め切れない。自分たちのほうがチャンスは多かったけど、そこが出てしまった」と肩を落とした。
試合は、両チーム無得点のままに80分を終え、PK戦による決着となった。椎橋は、試合に出ていない3年生の想いがメッセージとして込められたキャプテンマークをGK寺尾に託した。
PK戦は、後攻。2番手の工藤が止められて苦しい展開のなか、東福岡の5番手が決めれば勝負ありという場面でGK寺尾が好セーブを見せた。
寺尾は「仲間の声があったからこそ、1本止められた。負けてしまったけど、出られなかったメンバーには感謝の気持ちがある」と話し、椎橋も「キャプテンマークには、3年生みんなの想いが込められていた。自分が(PK戦に)出ない分、寺尾に託した。だから、最後に止めてくれたのは嬉しかった」と話した。
しかし、勝負は酷だ。最後のキッカーとなった杉岡が止められ、PK戦3-4で日本一への挑戦は終幕した。
敗れたものの、市立船橋の強さはピッチで十分に示されていた。東福岡の森重潤也監督は「市立船橋は強い。この年代のトップレベルの選手、チームだなと感じた」。また、MF中村健人も「やっぱり、強かった。どれだけプレスをかけても取れないし、攻撃も多彩。蹴って来たり、細かくつないできたりと対応も難しかった。相手は何倍も上手くなって、質が高くなっていた。全然、ボールが取れなかった」と大いに苦しめられたことを認めた。
総力戦の末、市立船橋の結果は3回戦敗退。東福岡への雪辱も果たせなかった。結果がすべてと言えば、それまでかもしれない。しかし、PK戦までもつれ込んだ死闘には、千葉の強豪が力を示して敗れ去ったという事実も含まれている。
【選手権PHOTOハイライト】フクアリ/3回戦 東福岡×市立船橋|帝京三×前橋育英
取材・文:平野貴也(ライター)
市立船橋の主将を務めたMF椎橋慧也は「悔しい、だけ。結果がすべて。内容がどうこうじゃない。最後に勝ったチームは、東福岡。なにを言っても、負けは負け」と言葉を絞り出した。
市立船橋はこの選手権3回戦で、夏のインターハイ決勝で敗れた東福岡への雪辱を目指したが、夏と同じくPK戦の末に敗れた。
力は出し切った。内容は、前進した。勝利に大きく近付いた。
朝岡隆蔵監督は「この試合に関して言えば、できることはすべてやった。今でも後悔はない。選手の起用に対する失望もない。失敗したなと思わない。ただ、残念というひと言」と死力を尽くした一戦を振り返った。
前半は、東福岡がボールを持つ時間が長かったが、市立船橋は堅実な守備で応対し、カウンターを中心に反撃した。
前半21分にビルドアップからサイドチェンジを受けたCB杉岡大暉がドリブルで素早く持ち上がり、横パスをトップ下の高宇洋がスルーしてFW矢村健がシュートを狙う好機を作り出した。
前半36分には東福岡のパワフルなFW餅山大輝に手を焼き、決定機を作られたが、GK寺尾凌が好セーブを披露。後半はMF工藤友暉のFKを杉岡が頭で合わせてクロスバーを直撃する場面や、後半終了間際に右からのクロスを途中出場のFW永藤歩が空振りする場面など決定機も作り出した。
工藤は「チャンスの数は、夏の3倍くらいはあったと思う。でも、そこで決め切れなかった」と虚しさが漂う手応えを語り、杉岡も「最後の最後で、このチームの1年間の課題が出た。決め切れない。自分たちのほうがチャンスは多かったけど、そこが出てしまった」と肩を落とした。
試合は、両チーム無得点のままに80分を終え、PK戦による決着となった。椎橋は、試合に出ていない3年生の想いがメッセージとして込められたキャプテンマークをGK寺尾に託した。
PK戦は、後攻。2番手の工藤が止められて苦しい展開のなか、東福岡の5番手が決めれば勝負ありという場面でGK寺尾が好セーブを見せた。
寺尾は「仲間の声があったからこそ、1本止められた。負けてしまったけど、出られなかったメンバーには感謝の気持ちがある」と話し、椎橋も「キャプテンマークには、3年生みんなの想いが込められていた。自分が(PK戦に)出ない分、寺尾に託した。だから、最後に止めてくれたのは嬉しかった」と話した。
しかし、勝負は酷だ。最後のキッカーとなった杉岡が止められ、PK戦3-4で日本一への挑戦は終幕した。
敗れたものの、市立船橋の強さはピッチで十分に示されていた。東福岡の森重潤也監督は「市立船橋は強い。この年代のトップレベルの選手、チームだなと感じた」。また、MF中村健人も「やっぱり、強かった。どれだけプレスをかけても取れないし、攻撃も多彩。蹴って来たり、細かくつないできたりと対応も難しかった。相手は何倍も上手くなって、質が高くなっていた。全然、ボールが取れなかった」と大いに苦しめられたことを認めた。
総力戦の末、市立船橋の結果は3回戦敗退。東福岡への雪辱も果たせなかった。結果がすべてと言えば、それまでかもしれない。しかし、PK戦までもつれ込んだ死闘には、千葉の強豪が力を示して敗れ去ったという事実も含まれている。
【選手権PHOTOハイライト】フクアリ/3回戦 東福岡×市立船橋|帝京三×前橋育英
取材・文:平野貴也(ライター)