「段々スイッチが入っていく自分を感じながら」
[J1第18節]浦和 1-1 川崎/6月24日/埼玉スタジアム2002
1ー1のドローとなった浦和と川崎の一戦、両GKの果敢なスタイルが失点に直結するなど、様々なポイントのあった一戦で個人的に最も印象に残ったのは川崎の大島僚太のプレーである。
「時間を作る」「時間を操る」とは川崎ではよく使われる言葉だが、まだ完調とは言えずとも、大島のこの日のプレーにはサッカーの魅力が詰まっていた。
相手、味方を見ながらポジションを取り、止めて・蹴るを高いレベルでこなす。コントロールが乱れず、次のプレーに流れるように移れる場所にボールが止めるからこそ、相手は飛び込めない。
だからこそ、彼にボールが渡ると、一瞬、相手選手の動きが止まったかのように見え、10番はパスの出し入れでテンポを作り出す。
まさに時間を司る選手であったと言えるだろう。
1ー1のドローとなった浦和と川崎の一戦、両GKの果敢なスタイルが失点に直結するなど、様々なポイントのあった一戦で個人的に最も印象に残ったのは川崎の大島僚太のプレーである。
「時間を作る」「時間を操る」とは川崎ではよく使われる言葉だが、まだ完調とは言えずとも、大島のこの日のプレーにはサッカーの魅力が詰まっていた。
相手、味方を見ながらポジションを取り、止めて・蹴るを高いレベルでこなす。コントロールが乱れず、次のプレーに流れるように移れる場所にボールが止めるからこそ、相手は飛び込めない。
だからこそ、彼にボールが渡ると、一瞬、相手選手の動きが止まったかのように見え、10番はパスの出し入れでテンポを作り出す。
まさに時間を司る選手であったと言えるだろう。
30歳で迎えた今季、意気込みも十分だった。
しかし、3月の新潟戦で負傷するなど、ここ数シーズン同様、戦線離脱を余儀なくされた。
復帰後はらしいプレーも見せていたが、体力面、感覚などが完全に戻ってきてはいない印象で、この浦和戦でも74分に交代。「90分間体力がもたなかったので残念だった」とも振り返る。
それでも大島僚太らしさが戻ってきたのでは? こちらの想いをぶつければ、嬉しい言葉も返ってくる。
「準備の段階で段々スイッチが入っていく自分を感じながらやれています。2年間ぐらい休んでいる時間が長くて、復帰してもすぐケガを繰り返していたので、今ももちろん怖さはあるんですけど、でも大分、集中できているなというシーンは増えてきたと感じています」
怖さとの戦いもあり、自分が理想とするプレーとの葛藤もあったのだろう。その歩みは私たちが想像できるようなものではないはずだ。ただ、そのなかで抱いたスイッチが入る感覚。それはより具体的にどういったものなのか。さらに聞くと、“意識”と“無意識”の差なのだという。
「まだ意識しながらやっていることのほうが多いので、習慣化できていないなところもあるのかなと。でも多少は一致してきている部分はあると思います」
試合後、鬼木達監督に大島の話を振れば、こう語ってくれた。
「(彼の良さは)シンプルですが相手の逆を取るとか、プレッシャーが来ても相手を止められるとか、そういうもので、時間を作れるところ。それは彼のいいところであって、なおかつそこで広い視野でプレーができる。
チャンスだと思えば縦にくさびを入れたり、そういうものが見えているのが彼の良さだと思うので、そこに対していろんな選手が反応できればもっともっと良くなりますし、リョウタだったりアキ(家長昭博)が絡むと単純に取れない。
相手にとって取れない状況が作れると思うので、そこからもうひとついろんな選手と絡みながらクオリティを上げていければ、より良いのかなと感じています。結局最後は相手にとって怖いプレーがどれだけできるか。ここを彼ら含めてまたやっていければと思っています」
チームとしての最後の質の向上。この課題を鬼木監督、大島ともに共有している部分も興味深い。
大島はスタジアムを後にする前に、チームとしての戦い方に「根拠はないですが」と前置きしながら「もう少しなのかなという感覚もあります」と口をついた。これは浦和戦の前に、鬼木監督がポツリと語っていた言葉とまったく同じだ。
今季の川崎は世代交代を経ながら、新たなサッカーの構築に取り組んでいるなかで苦しんでいる。それでも徐々に形になってきた感もある。今後どうまとまっていくのかは楽しみであり、その中心には笑顔の大島の姿があることを願いたい。
取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)
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それでも大島僚太らしさが戻ってきたのでは? こちらの想いをぶつければ、嬉しい言葉も返ってくる。
「準備の段階で段々スイッチが入っていく自分を感じながらやれています。2年間ぐらい休んでいる時間が長くて、復帰してもすぐケガを繰り返していたので、今ももちろん怖さはあるんですけど、でも大分、集中できているなというシーンは増えてきたと感じています」
怖さとの戦いもあり、自分が理想とするプレーとの葛藤もあったのだろう。その歩みは私たちが想像できるようなものではないはずだ。ただ、そのなかで抱いたスイッチが入る感覚。それはより具体的にどういったものなのか。さらに聞くと、“意識”と“無意識”の差なのだという。
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「(彼の良さは)シンプルですが相手の逆を取るとか、プレッシャーが来ても相手を止められるとか、そういうもので、時間を作れるところ。それは彼のいいところであって、なおかつそこで広い視野でプレーができる。
チャンスだと思えば縦にくさびを入れたり、そういうものが見えているのが彼の良さだと思うので、そこに対していろんな選手が反応できればもっともっと良くなりますし、リョウタだったりアキ(家長昭博)が絡むと単純に取れない。
相手にとって取れない状況が作れると思うので、そこからもうひとついろんな選手と絡みながらクオリティを上げていければ、より良いのかなと感じています。結局最後は相手にとって怖いプレーがどれだけできるか。ここを彼ら含めてまたやっていければと思っています」
チームとしての最後の質の向上。この課題を鬼木監督、大島ともに共有している部分も興味深い。
大島はスタジアムを後にする前に、チームとしての戦い方に「根拠はないですが」と前置きしながら「もう少しなのかなという感覚もあります」と口をついた。これは浦和戦の前に、鬼木監督がポツリと語っていた言葉とまったく同じだ。
今季の川崎は世代交代を経ながら、新たなサッカーの構築に取り組んでいるなかで苦しんでいる。それでも徐々に形になってきた感もある。今後どうまとまっていくのかは楽しみであり、その中心には笑顔の大島の姿があることを願いたい。
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