エルサルバドルとのキリンチャレンジカップは、日本が６−０で勝利という結果に終わった。開始２分で相手がひとり退場、そのファウルで得たPKを上田が決めて２−０とした時点で、「全てが決まった」（エルサルバドルのウーゴ・ペレス監督）。

　試合の大半を数的優位の状況で戦った影響もあり、日本の攻撃はスムーズに映った。日本のほうがひとり多いのだからそう見えるのは当然との見方もあるだろうが、それでもあえて称賛したい選手が旗手怜央だ。

　この日は４-１-４-１システムの左インサイドハーフを担当。三笘薫との連係で左サイドを崩せば、中央のエリアから積極的にミドルを狙う。守備の局面ではアンカーの守田英正と横に並ぶ形で危険なスペースを埋めるなど、攻守両面で貢献した。

　何より目を引いたのは、運動量とプレーエリアの広さ。後半に入っても絶えず動いて、攻守の両局面に顔を出す。湿度が高いピッチ上であれだけ精力的に動き回り、しかも鋭い反応でボールにも絡む。それをフルタイム続けたのだから、いい意味でエグかった。
 

　そもそも運動量が求められるインサイドハーフで、旗手は確かなクオリティも披露。質も量もともなったプレーを見せたこの日の彼は、文字通り半端なかった。  

　あれだけ広範囲のエリアをカバーしてくれて、しかもプレーが的確。もちろん小さなミスはあったが、代表練習初日の言葉（日頃のプレーを見せるだけ）を有言実行できたあたりは本当に素晴らしい。

　森保ジャパンに旗手は不可欠。そう思わせるほど、彼のアクションには説得力があった。

取材・文●白鳥和洋（サッカーダイジェストTV編集長）

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