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悔いが残るコンマ何秒の差。詰めの甘さを痛感した山根陸は、「大会中に成長できるチャンス」を貪欲に追い求める【U-20W杯】

カテゴリ:日本代表

小口瑞乃

2023年05月25日

下を向くことは、絶対にしない選手だ

コロンビア戦で先制点を決めた山根。セットプレーで結果を残したことは次につながるはずだ。(C)Getty Images

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[U-20W杯]日本 1-2 コロンビア/5月24日/ラ・プラタ・スタジアム

「強気にもうちょっと行けたと思う。ボランチとしてゲームをコントロールしなければいけなかった」

 追加点を奪えなかった、耐えきれなかった後半45分間の戦いぶりに、MF山根陸(横浜)は唇をかんだ。悔しさがありありと見て取れた。

 勝てばグループステージ突破が決まるコロンビア戦。1-0で迎えた後半立ち上がりに、趨勢は変わった。53分、自陣右サイドを崩されてクロスが入る。山根は懸命にカバーに戻ったが、伸ばした足はボールホルダーに届かず、シュートを許した。さらに6分後、同じく狙い所とされた右サイドから失点した。

「コンマ何秒のところだけど、コンマ何秒、遅れるだけで状況が変わる。自分としては1点目のところは頑張って戻りたかったし、2点目もサイドバックの背後を突かれたなかで自分が戻りきれなかった」

 世界では大きな綻びとなる、細かな詰めの甘さを痛感した。

 並々ならぬ思いで臨んだ第2戦だった。負傷から復帰した初戦のセネガル戦は後半開始から出場。1点差を守り切ったが、個人としてはなかなかボールに絡めず、アフリカ特有の個を前に後手に回るシーンもあった。

 横浜では今季、右サイドバックでプレーしており、ボランチの出場時間は20分に満たない。練習でもボランチに入ることはなかった。クレバーで高い適応力を持つが、“360度”の視野を取り戻すのにやや苦戦した印象。勝利にも、表情は浮かなかった。

 それでもこの日は「何度かボールを触るうちに感覚は戻った」。特に前半は体格差のある相手に持ち前の“先読み”で絶妙なポジションを取り、前を向いて攻撃に転じたシーンもあった。
 
 30分の右CKでは、MF福井太智(バイエルン)の折り返しに走り込み、右足で先制点を奪った。

「当たり損ねになってしまったけど、みんなが(相手を)ブロックして自分をフリーにしてくれた。あとは思い切って振るだけ。きっ抗した試合はセットプレーが勝負を分ける。上手く吸い込まれて良かった」
【動画】デザインされたセットプレーで先制点! 北野ヒール→福井クロス→山根がフィニッシュ!
 昨年9月のU-20アジアカップ予選・ラオス戦以来となる公式戦ゴール。今季J1リーグの横浜FC戦でも同じような形でネットを揺らし、オフサイド判定により“幻のゴール”となったが、キッチリとスコアを動かした。チームが「得点源」と胸を張るセットプレーで結果を残したことは次につながる。

 しかし、1-0としてからは初戦と似た反省点が浮かんだ。山根も48分に先制点と同様の形でシュートを放つなど多くのチャンスを迎えたが、ギアが上がりきらず、次第に自陣に下がり気味に。

「追加点が取れないでズルズルと最後までいってしまった」。後半からギアを上げたコロンビアとの差が明確に出た。

 相手に上回られたことを受け入れる。「ここはアジアではない」。失点含め、チーム全体として個ではがされた回数は多い。ただW杯でしか味わえない「際」の強さも、「大会中に成長できるチャンス」とモノにしようとする意欲的な姿勢は変わらない。そして、下を向くことは、絶対にしない選手だ。

「誰一人落ち込んでないし、今日のゲームは非常に悔しいけど、自分たち、何も終わっているわけではない。本当に顔を上げて。こういった負けを次の試合で、悔しさとしてピッチで表現できるように」

 一つひとつの言葉に、いつも以上に力がこもった。運命の最終戦は、欧州準優勝のイスラエルと対峙。後悔ないくらい、「強気」な姿勢ですべてをぶつける。

取材・文●小口瑞乃(報知新聞社)

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