現地時間５月18日に開催されたヨーロッパカンファレンスリーグ準決勝の第２レグで、菅原由勢を擁するAZ（オランダ）とウェストハム（イングランド）が激突。アウェーの後者が１－０で勝利し、第１レグと合わせ３－１でフィオレンティーナ（イタリア）との決勝に駒を進めた。

　この一戦で信じられないような出来事が起こった。AZのサポーターが相手選手の家族も座るスタンドの一角を襲撃したのだ。慌てて複数の選手が看板を乗り越え、現場に駆け付けるなどし、スタジアムは大混乱となった。

　英紙『Daily Mail』によれば、ウェストハムのGKアルフォンス・アレオラが試合後に騒動に言及。「家族が試合を見ていたんだ。事件から少し離れたところにいた」と明かした。

「スタジアムのセキュリティは、特にこのようなイベントで最も重要だ。僕たちは家族が心配だった。セキュリティに問題がある。相手のファンにとって、ちょっとオープンすぎた。最後はなんとか止められたけどね。家族やファンが来る時に、あんなものを見たくない。彼らはイベントを楽しみたいに決まっているし、僕らも彼らと一緒に楽しみたいんだ」

　同クラブを率いる経験豊富なデイビッド・モイーズ監督からしてみても、今回の事件は理解不能だったようだ。先月に還暦を迎えた指揮官は「何が起こったのか、なぜ起こったのか、説明できない」と語った。
【動画】選手も慌てて止めに入る…スタンドで起こった衝撃の騒動

「ファミリーセクションでの出来事だから選手も巻き込まれた。ウェストハムのファンはトラブルを求めていたわけではないので、とにかくこの件が今夜を台無しにしてほしくはない。UEFA（欧州サッカー連盟）が調査してくれるよう願っている」

　また、ウェストハムOBでもある元イングランド代表のジョー・コール氏も、UEFAに強く対策を求めた。

「馬鹿げたAZのファンが攻撃したんだ。選手たちはそれを鎮めようとした。顔を隠して現われ、パンチを浴びせるなんて、とんでもない話だ。選手たちは当然、心配するよ。家族、友人、子どもたちもいるんだ。現代の試合でこんな出来事が起こるなんて馬鹿げている、哀れだ。イングランドではフーリガンについて語られるケースが多いが、そんなの長い間、見ていない。でもヨーロッパの他のクラブのせいで噂が広がるんだ。情けないよ。

　今はカメラが設置されているのだから、問題の人物を突き止め、生涯追放するべきだ。子どもたちを決勝戦に連れて行こうと話していたのに、あんなのを見たら、二の足を踏んでしまうよ」

　過激さを履き違えた最低の行為だった。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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