チームに落ち着きをもたらし、再び試合のペースを手繰り寄せた。
12月16日のクラブワールドカップ準決勝でサンフレッチェ広島を1-0で破ったリーベル。マン・オブ・ザ・マッチは90分間を通じた貢献度で考えれば、猛烈な対人と巧みなカバーリングを披露してクリーンシート(無失点)の立役者となったCBエデル・バランタか、72分に値千金の決勝ゴールを挙げたFWルーカス・アラリオかもしれない。
【クラブW杯マッチレポート】広島 0-1 リーベル・プレート
しかし、レオナルド・ポンシオに代わって57分からピッチに登場したルイス・ゴンサレスの存在感は、彼ら2人に負けず劣らずのものだった。
リーベルにとっては、苦しい展開だったに違いない。試合序盤から主導権を握りながらなかなか良い形でフィニッシュまで繋げられず、前半はむしろ広島に三度の決定機を許した。後半も「ボールを持てどビッグチャンスを作れない」という似たような展開が続き、マルセロ・ガジャルド監督に最初の交代カードに指名されたのが、“ルーチョ”の愛称で親しまれる34歳のベテランMFだった。
ピッチに立って2分後の59分、さっそく縦パスをカットしてカウンターの起点になれば、65分には中央でのボールキープから広島守備陣を引き付け、フリーの右SBガブリエル・メルカードに展開して好機を作った。
その後も的確なポジショニングをベースに、ボールハントとパスワークで存在感。なかなかゴールが奪えずやや焦りも見え始めていたチームに落ち着きをもたらし、再び試合のペースを手繰り寄せた。72分の決勝ゴールに直接的には絡んでいないが、その呼び水となったと言っていいだろう。
【PHOTOハイライト】広島 0-1 リーベル
「スタメンも素晴らしい選手ばかりだが、ベンチにも素晴らしい選手が控えている。途中で入った選手が仕事をするチームは強いチームだと思います。とくにルーチョ・ゴンサレスですね」
前日会見でリーベルの注目選手を聞かれた広島のキャプテン青山敏弘はそう語っていたが、図らずもその通りの展開となった格好だ。
2002~05年にリーベルで活躍した後、ポルトやマルセイユで多くのタイトルを獲得し、代表では2004年のアテネ五輪で金メダルに輝き、2006年のドイツ・ワールドカップでも主力を張った経験豊富なMFは、今年6月、カタールのアル・アーヤンから古巣へ10年ぶりに復帰。国内リーグでもコパ・リベルタドーレスでも完全な主力ではなかったが、頭脳的かつ効果的なプレーですぐさまチームメイトと指揮官の信頼を掴んだ。
この日のパフォーマンスを見る限り、全盛期のダイナミズムこそ失われているが、むしろ読みやゲームメイクの部分には磨きが掛かっている。12月20日のクラブワールドカップ決勝でも、リーベルの切り札“ルーチョ”のパフォーマンスに要注目だ。
取材・文:白鳥大知(サッカーダイジェストWEB)
【クラブW杯マッチレポート】広島 0-1 リーベル・プレート
しかし、レオナルド・ポンシオに代わって57分からピッチに登場したルイス・ゴンサレスの存在感は、彼ら2人に負けず劣らずのものだった。
リーベルにとっては、苦しい展開だったに違いない。試合序盤から主導権を握りながらなかなか良い形でフィニッシュまで繋げられず、前半はむしろ広島に三度の決定機を許した。後半も「ボールを持てどビッグチャンスを作れない」という似たような展開が続き、マルセロ・ガジャルド監督に最初の交代カードに指名されたのが、“ルーチョ”の愛称で親しまれる34歳のベテランMFだった。
ピッチに立って2分後の59分、さっそく縦パスをカットしてカウンターの起点になれば、65分には中央でのボールキープから広島守備陣を引き付け、フリーの右SBガブリエル・メルカードに展開して好機を作った。
その後も的確なポジショニングをベースに、ボールハントとパスワークで存在感。なかなかゴールが奪えずやや焦りも見え始めていたチームに落ち着きをもたらし、再び試合のペースを手繰り寄せた。72分の決勝ゴールに直接的には絡んでいないが、その呼び水となったと言っていいだろう。
【PHOTOハイライト】広島 0-1 リーベル
「スタメンも素晴らしい選手ばかりだが、ベンチにも素晴らしい選手が控えている。途中で入った選手が仕事をするチームは強いチームだと思います。とくにルーチョ・ゴンサレスですね」
前日会見でリーベルの注目選手を聞かれた広島のキャプテン青山敏弘はそう語っていたが、図らずもその通りの展開となった格好だ。
2002~05年にリーベルで活躍した後、ポルトやマルセイユで多くのタイトルを獲得し、代表では2004年のアテネ五輪で金メダルに輝き、2006年のドイツ・ワールドカップでも主力を張った経験豊富なMFは、今年6月、カタールのアル・アーヤンから古巣へ10年ぶりに復帰。国内リーグでもコパ・リベルタドーレスでも完全な主力ではなかったが、頭脳的かつ効果的なプレーですぐさまチームメイトと指揮官の信頼を掴んだ。
この日のパフォーマンスを見る限り、全盛期のダイナミズムこそ失われているが、むしろ読みやゲームメイクの部分には磨きが掛かっている。12月20日のクラブワールドカップ決勝でも、リーベルの切り札“ルーチョ”のパフォーマンスに要注目だ。
取材・文:白鳥大知(サッカーダイジェストWEB)