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【岩本輝雄】ボールを奪うポイントは明確で、頑丈な守備。今季初勝利の横浜FCがやっと“開幕”を迎えたね

カテゴリ:連載・コラム

岩本輝雄

2023年05月04日

攻守両面で90分間、激しく戦い、勝ち切った

横浜FCが11試合目にして、待望の今季初勝利を掴んだ。(C)SOCCER DIGEST

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[J1第11節]横浜FC 1-0 新潟/5月3日/ニッパツ三ツ沢球技場

 タイムアップの笛が鳴ると、まるで優勝したみたいだった。大げさかもしれないけど、横浜FCの選手も、スタッフも、サポーターも、それほど待ち望んでいた瞬間だったはずだ。

 開幕から10戦して、3分7敗。リーグで唯一の未勝利で最下位に沈んでいた横浜FCが、11試合目にして今季初の白星。同じ昇格組の新潟をホームに迎え、ユーリ・ララの1点を最後まで守り抜き、1-0で勝利した。

 この試合で横浜FCは、今季から本格導入した4バックではなく、3バックでスタートした。3バックというか、ほぼ5バックかな。最終ラインに人数を割いて、まず守りを固めた。

 以前のコラムで、初勝利が遠かったシーズン序盤の横浜FCについて、僕は「昨季の3-4-3に戻してもいいのでは」と書いた。チームが活気を取り戻すには、まず勝利が必要だし、そのためには、慣れ親しんだ戦い方のほうが得策だと思ったから。

 新潟戦で、ポゼッションでは相手が上回っていた。もっとも、横浜FCは“持たれていた”のか、あえて“持たせていた”のか、そこは分からないけど、いずれにせよボールを奪うポイントは明確だったし、守備は安定していたように見えた。

 割り切っていたのか、最後の部分でやらせなければいい、みたいな感じもあった。吉野、ンドカ、岩武の3枚は局面で強さを存分に発揮。この真ん中の頑丈なディフェンスは特に際立っていた。

 4バックだと、どうしてもセンターバックやサイドバックが釣り出されて、変にスペースを与えてしまうことがある。そこで裏を取られて、失点やピンチの場面が少なくなかったけど、3バック、プラス両サイドが下がって5枚にすれば、そう簡単にはやられない。カバーリングもすぐできるしね。
 
 多少、後ろに重たくなれば、相手は前に出てくるわけだから、カウンターがより効いてくる。新潟戦は1得点だったけど、他にも決定機はいくつかあった。横浜FCは守りながらも、しっかりと攻撃の意識も高く持っていたと思う。

 攻守の両局面で90分間、激しく戦って、勝ち切った。個人的には、今後もしばらくはこういう手堅い戦い方を続けたほうがいいかな、と思う。何よりも残留するためには、新潟戦のやり方は悪くない。実際、それで勝点3を掴み取ったわけだから。

 次はアウェーの神戸戦。首位に立つチームが相手だ。現時点での力関係を見れば、おそらくはブロックを作ってカウンターというのが現実的ではないだろうか。それを考えれば、新潟戦は良い経験になったはず。

 5月最初のゲームで初勝利。ある意味、これでやっと“開幕”できたんじゃないかな。ここから切り替えて、どこまで巻き返せるか、注目したい。

【著者プロフィール】
岩本輝雄(いわもと・てるお)/1972年5月2日、50歳。神奈川県横浜市出身。現役時代はフジタ/平塚、京都、川崎、V川崎、仙台、名古屋でプレー。仙台時代に決めた“40メートルFK弾”は今も語り草に。元日本代表10番。引退後は解説者や指導者として活躍。「フットボールトラベラー」の肩書で、欧州CLから地元の高校サッカーまで、ジャンル・カテゴリーを問わずフットボールを研究する日々を過ごす。

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