４連勝中のサンフレッチェが、横浜FCのホームに乗り込んで、３－０の完勝を収めた。これで怒涛の５連勝を達成。首位のヴィッセルと勝点２差の３位。好調をキープしているね。

　前半は０－０。少なからず危ない場面はあったけど、手堅い守備でゴールを割らせない。迎えた後半は、より攻勢を強めた感じだ。臨機応変にボールを回しながら、試合を優位に進めていく。49分の東の先制点も大きかったと思う。

　チームをさらに勢いづけたのは、70分に同時投入されたエゼキエウとドウグラス。力のある助っ人がベンチに控えているんだから、贅沢な陣容だよね。

　目を引いたのがエゼキエウだ。途中出場してすぐに、右サイドからチャンスメイク。ドリブルで仕掛けて、１人、２人とかわして逆サイドに展開。その流れから相手のオウンゴールにつながった。

　その３分後には、鋭い動きで右サイドを抜け出して、ドウグラスの３試合連続弾をアシスト。限られた出場時間のなかで、２ゴールに絡んでみせた。

　組織的なサッカーを見せるなかで、独力で局面を打開できる存在は絶妙なアクセントになる。エゼキエウはまさにそんな選手で、かなり効いていたと思う。ここまで途中出場が続いているけど、欠かせないキーマンなんじゃないかな。
 

　攻撃陣の充実と同様に、守備陣も盤石だ。３バックの両サイド、右の塩谷、左の佐々木は、ボールを前に運べるのも魅力。たとえ相手に寄せられても、慌てずにビルドアップできる。あの推進力は、派手さはないかもしれないけど、チームを力強く支えている部分でもあるはずだ。

　特に塩谷がいいね。経験豊富な34歳。常に冷静沈着で、安心して見ていられる。相手からしても、やっかいなベテランだと思うよ。

　チームとしては、雨の中の試合でピッチはスリッピーだったから、前半は多少なりとも、やりにくさがあったように見えた。それでも何とかしのいで、90分を通じて、確実に勝利に近づいていくような戦いぶり。貫録があったね。

　気になる点を挙げれば、サイドからカットインされて、簡単にクロスを許すシーンが何度かあったことかな。この日は決められなかったけど、失点の確率を少しでも下げるためには修正しておいたほうがいいのかなと思った。

　いずれにしても、白星を重ねて、チームは良いサイクルに入って、選手たちも高いモチベーションでプレーできているはず。この良い流れはもうしばらく続きそうだね。

【著者プロフィール】
岩本輝雄（いわもと・てるお）／1972年５月２日、50歳。神奈川県横浜市出身。現役時代はフジタ／平塚、京都、川崎、V川崎、仙台、名古屋でプレー。仙台時代に決めた“40メートルFK弾”は今も語り草に。元日本代表10番。引退後は解説者や指導者として活躍。「フットボールトラベラー」の肩書で、欧州CLから地元の高校サッカーまで、ジャンル・カテゴリーを問わずフットボールを研究する日々を過ごす。

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