J１第２ステージは広島が優勝。年間勝点でも広島が浦和を抑えて頂点に立ちレギュラーシーズンは幕を閉じた。今季の34試合をJ１全18チームはいかに戦ったのか？　各クラブの担当記者が、11月22日で今季最終戦を迎えた2015シーズンを振り返り総括する。
 
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アルビレックス新潟
年間成績：15位　勝点：34　８勝10分16敗　41得点・58失点
第１ステージ成績：17位　勝点：14　３勝５分９敗　20得点・33失点
第２ステージ成績：11位　勝点：20　５勝５分７敗　21得点・25失点
 
【2015シーズンの出来を点数で表わすと？】
35点
 
　タイトル獲得を掲げて臨んだシーズンは、大きな失意とともに幕を閉じた。2004年にJ1に昇格して以来、最低となる勝点34が物語るように、文字どおり薄氷を踏む思いの残留。攻守ともに評価材料に乏しく、35点とした。
 
　とはいえ、タイトル獲得が妄言だったとは思いたくない。例年のように主力を引き抜かれることもなく、4年目となる柳下監督のサッカーも十分に浸透しているとあって、期待は自ずと高まった。
 
　だが、いざふたを開けてみると、チームの土台である守備がシーズン序盤に崩壊。セットプレーを含め、あまりにあっけない失点を重ねては勝点を落としてしまった。
 
　躍進を期して得点力アップを目指した結果、昨季の30得点から41に増えはしたものの18チーム中12番目、一方で失点数は昨季の36からリーグで２番目に多い58へと大幅に悪化したとあっては、苦戦したのも当然のことといえる。
 
　特にチームにとって打撃となったのが、第１ステージ途中でレオ・シルバが胆のう炎で1か月以上、離脱したことだ。その間に4連敗を含むどん底状態を経験したチームだが、第２ステージに入ると加藤、小泉、さらに特別指定の端山ら若い力が台頭した。
 
　また、負傷がちなラファエル・シルバに代わり指宿がFWの軸となることで戦いが整理され、山形、清水、仙台、甲府、松本といった、その時点で順位の近い相手との対戦を無傷で切り抜けるしぶとさを発揮。辛くも残留を果たすことができた。
 
 
【今季のチームMVPは？】
山本康裕（MF）
 
　多くの怪我人に苦しんだチームにあって、シーズンを通してフル稼働。チームで２位タイの７得点には第１ステージ９節の松本戦、第２ステージ９節の仙台戦など、劇的な勝利を呼ぶ値千金のゴールも含まれる。ボールを前に運ぶ推進力、ここぞという勝負どころで発揮されるスプリント能力と決定力が、厳しい残留争いを繰り広げたチームを救った。

文：大中祐二（ライター）