【2015総括】大宮編|大目標の達成は評価できるが、来季を見据えると柔軟性がほしい

カテゴリ:Jリーグ

土地将靖

2015年11月27日

クロス対応やセットプレーでの不安定さは気がかり。

絶対的な攻撃の要である家長。好不調の波をなくせば、日本代表も見えてくるだろう。 写真:佐藤 明(サッカーダイジェスト写真部)

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 J2を制した大宮と2位の磐田。来季のJ1昇格を決めた両チームは、今季の42試合をいかに戦ったのか? 各クラブの担当記者が、11月23日で今季最終戦を迎えた2015シーズンを振り返り総括する。
 
――◆――◆――
 
大宮アルディージャ
成績:1位 勝点:86 26勝8分8敗 72得点・37失点
 
【2015シーズンの出来を点数で表わすと?】
100
 
「J2優勝でのJ1復帰」という目標を掲げ、それを見事に達成した。最高順位をノルマとし、完遂したのだから満点を与えないわけにはいかないだろう。
 
 J1を戦った昨季の戦力をベースに、加藤、塩田、河本、横谷ら他チームがうらやむ補強をして臨んだ。序盤こそなかなか勝ち星は伸びなかったが、渋谷監督が標榜する「ボールをしっかりと動かして崩していくサッカー」がある程度形を成すと、12試合無敗で勝点を積み上げ、東京V戦に敗れた以降も破竹の8連勝で下位を引き離し独走態勢に入った。
 
 ただし、家長を中心に据える攻撃陣は爆発力もあったが、一方で前線からの激しいプレッシングになすすべなく敗れた試合も少なくなかった。一時は失点数の少なさでリーグトップを誇った守備力も、終盤はクロスに対する脆さ、セットプレーでの不安定さが露呈した。このあたりは、来季に向けた課題だろう。
 
 2位以下の猛追を許しギリギリでの優勝となったが、それでも「自分たちはこれしかやってきていない」(渋谷監督)とスタイルを変えなかった。プライドか、それとも柔軟性のなさか、いずれにしろ、もう少し引き出しを増やしたい。
 
【今季のチームMVPは?】
家長昭博(MF
 
 高い技術に裏打ちされた創造性あふれるプレーで攻撃を牽引した。チーム2位の得点力もさることながら、しっかり起点になれる絶大なキープ力は秀逸で、その出来不出来がそのままチーム結果も左右した。ムラがなくなれば、J1での活躍はおろか、日本代表復帰すら見えてくる。

文:土地将靖(サッカーライター)
 
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