「自分の特長はスピードとドリブル、裏への動き。それを上手く出せれば生き残れる」
「ようやくチャンスが来た」
手倉森ジャパン初招集の一報を耳にした時、伊東はそう思ったという。自身を「ずっと部屋にいるタイプ」と表現するように、物静かで、言葉数も決して多くはない。どちらかと言えば本心を掴むのは難しい選手だが、これまで縁がなかったU-22日本代表入りへの挑戦権を手にしたのだから、喜びもひとしおだったに違いない。
神奈川大から甲府入りしたプロ1年目の今季は、30試合に出場して4得点を記録。先発は11試合にとどまり、スーパーサブ的な役割のほうが多かったものの、「J1で試合数を重ねて、多くの経験ができた。自信になりました」と振り返る。平塚合宿2日目の24日からの合流となったが、自身の練習初日は「違和感なくチームに入れた」という。
「自分の特長はスピードとドリブル、あとは裏への動き。探り探りではありますけど、自分のやりたいこともみんなに少し分かってもらえたかなと。(ハーフコートでの9対9、10対10の)ゲームでは叩いて動くのを意識していました。でも、ミスが多かったのでそこは修正していきたいと思います」
自分の手元に置き、初めてプレーの様子を見た手倉森監督は、「ピッチで見ていた時よりも大きさを感じる。そういう意味でも、可能性のある選手だなと。突破という自分の特長をどう活かすかに関して、彼のようなタイプは“活かされ方”も大事になってくると思うので、そこを少しすり合わせてもらえればいい」と伊東を評価する。
甲府ではシャドーが主戦場だが、この日の練習では1トップの位置に入った。どこでプレーしたいか、と訊かれると、ひと言「言われたほうでやります」とそっけないが、それも「どこでも違和感なくできる」という自信があるからだ。アジア最終予選まで残り2か月の段階での初招集とあって、大きなハンデを背負ってのスタートなのは間違いない。それでも、「自分の特長を上手く出せれば生き残れると思います」と、決して悲観せず、ただようやく開けた目の前の道を進むことだけを考えている。
「(先発を狙ってる?)いや、まずは代表に入ることが大事なので、しっかりアピールして、メンバー入りしてから、ですね。湘南との練習試合で、自分の特長を出して目に見えた結果を残したい。アジア最終予選、そしてオリンピックに出られたら、スキルを含めて自分のレベルアップにつながると思う。自分の今後のためにも活躍したいです」
遅れてきたスピードスターが、どこまで競争に食い込めるか。伊東自身にとって、そしてU-22日本代表の底上げという面で見ても、意義のあるチャレンジとなりそうだ。
取材・文:小田智史(サッカーダイジェスト編集部)
手倉森ジャパン初招集の一報を耳にした時、伊東はそう思ったという。自身を「ずっと部屋にいるタイプ」と表現するように、物静かで、言葉数も決して多くはない。どちらかと言えば本心を掴むのは難しい選手だが、これまで縁がなかったU-22日本代表入りへの挑戦権を手にしたのだから、喜びもひとしおだったに違いない。
神奈川大から甲府入りしたプロ1年目の今季は、30試合に出場して4得点を記録。先発は11試合にとどまり、スーパーサブ的な役割のほうが多かったものの、「J1で試合数を重ねて、多くの経験ができた。自信になりました」と振り返る。平塚合宿2日目の24日からの合流となったが、自身の練習初日は「違和感なくチームに入れた」という。
「自分の特長はスピードとドリブル、あとは裏への動き。探り探りではありますけど、自分のやりたいこともみんなに少し分かってもらえたかなと。(ハーフコートでの9対9、10対10の)ゲームでは叩いて動くのを意識していました。でも、ミスが多かったのでそこは修正していきたいと思います」
自分の手元に置き、初めてプレーの様子を見た手倉森監督は、「ピッチで見ていた時よりも大きさを感じる。そういう意味でも、可能性のある選手だなと。突破という自分の特長をどう活かすかに関して、彼のようなタイプは“活かされ方”も大事になってくると思うので、そこを少しすり合わせてもらえればいい」と伊東を評価する。
甲府ではシャドーが主戦場だが、この日の練習では1トップの位置に入った。どこでプレーしたいか、と訊かれると、ひと言「言われたほうでやります」とそっけないが、それも「どこでも違和感なくできる」という自信があるからだ。アジア最終予選まで残り2か月の段階での初招集とあって、大きなハンデを背負ってのスタートなのは間違いない。それでも、「自分の特長を上手く出せれば生き残れると思います」と、決して悲観せず、ただようやく開けた目の前の道を進むことだけを考えている。
「(先発を狙ってる?)いや、まずは代表に入ることが大事なので、しっかりアピールして、メンバー入りしてから、ですね。湘南との練習試合で、自分の特長を出して目に見えた結果を残したい。アジア最終予選、そしてオリンピックに出られたら、スキルを含めて自分のレベルアップにつながると思う。自分の今後のためにも活躍したいです」
遅れてきたスピードスターが、どこまで競争に食い込めるか。伊東自身にとって、そしてU-22日本代表の底上げという面で見ても、意義のあるチャレンジとなりそうだ。
取材・文:小田智史(サッカーダイジェスト編集部)