【広島】苦しみに打ち勝ったキャプテンの青山。目指すは年間優勝のみ

カテゴリ:Jリーグ

小田智史(サッカーダイジェスト)

2015年11月23日

【広島】苦しみに打ち勝ったキャプテンの青山。目指すは年間優勝のみ

「良いゴール」と自画自賛のミドルを決め、思わず飛び跳ねてガッツポーズ。苦しんだシーズンだったからこそ、優勝を決める試合でのゴールだったからこその喜びだ。 写真:佐藤 明(サッカーダイジェスト写真部)

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 これまでの苦しさを吐き出すかのような、痛快な一撃だった。

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 ドウグラスの先制点の余韻がまだ残る25分、青山は左サイドの清水からパスを受けた。目の前には広大なスペース――。湘南のアンドレ・バイアが詰めて来ないのを見ると、すかさず右足を振り抜く。約30メートルの位置からドライブ回転がかかったシュートは、GKの手前で急激に落ちてゴール左隅に突き刺さり、貴重な追加点をもたらした。
 
「迷いも、力みもなかった。抑えを効かせて、上手く蹴れたと思う。あんなに良いシュートは普段ないんですけどね。ラッキーというか、持ってるのかな」(青山)
 
 湘南戦を含む今季の3ゴール(第1ステージ17節・鳥栖戦、第2ステージ3節・浦和戦)は、すべて華麗なスーパーミドルで決めたもの。さらに言えば、日本代表としての初得点を決めた3月のウズベキスタン戦もそうだ。しかし、本人はスーパーゴールの多さを問われても、表情を崩さず、冷静にシーズンを振り返る。
 
「(今季がベストシーズン?) いや、今までで一番難しいシーズンだった。自分の良さを出させてもらえなかったので。パフォーマンスに満足できたのは、ここ数試合だけかなと。周りがどう評価するかは自由ですけど、自分のなかでは苦しい1年だった」
 
 青山が言う「自分の良さ」とは、鋭い縦パスを撃ち込み、局面を打開すること。しかし、守備を固めてスペースを消し、さらには青山にマンマークを付けて潰しにくるチームが増えた。本来は自分が起点になって、ワンタッチで崩す形が理想だが、厳しいマークで思うようにチャレンジできない。「今はまだその力が自分にない」と、青山は10月のインタビューでそう葛藤を吐露している。
 
 ただ、だからと言って、ポゼッションからの遅攻を展開するために、今季得点源となったカウンターの良さを消したくない。青山は自分の理想を追い求めつつも、「新たなスタイルは勝ちながら作り上げていくもの」と双方を融合させたなかで生きる道を選んだ。
 
 それが第2ステージ優勝・年間勝点1位が懸かった大一番で結実した、と言えよう。ボランチでコンビを組む森﨑和も試合後、「今日はカウンターと遅攻が思うようにできた。今年一番の試合だと思う」と充実感を滲ませながら振り返っている。
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