現地月曜日にトルコ南東部を襲ったマグニチュード7.8と7.5の大地震は、隣国のシリアを合わせてこれまでに少なくとも2300名超が死亡、１万2000名超が負傷と甚大な被害をもたらしている。

　おびただしい数のビルや建物が倒壊し、瓦礫の下にはいまだ多くの被災者が下敷きになっている。懸命の救助活動が続くなか、英公共放送『BBC』など欧米主要メディアが一斉に伝えたのが、ガーナ代表MFクリスティアン・アツも当地で被災し、行方不明になっているという一報だ。

　昨年９月にトルコ１部リーグのハタイスポルに移籍した31歳。日曜日のリーグ戦では後半アディショナルタイム６分に劇的な決勝点を挙げ、自身のツイッターで「チームにとって重要な勝利だ。スコアシートに載れて嬉しいよ」と喜びを表していた。

　だがその数時間後、大地震に見舞われて自宅のあるビルが崩壊。ハタイスポルの複数の選手やスタッフも同じビルに居を構えていたようで、９階に住むアツとともに、スポーツディレクターのタネル・サブト氏の行方も分かっていない。クラブのムスタファ・オザト副会長によると、「ふたりの選手と何人かのスタッフは引き出された（救助された）が、アツとサブトのふたりはまだ瓦礫の下で所在が判明していない」と明かした。
 

　かつてアツが所属したニューカッスルはツイッターで「ポジティブなニュースが届くことを祈る」と綴り、同じくチェルシーは「クリスティアン・アツ、あなたのために祈る」とのメッセージを寄せている。さらにガーナ・サッカー連盟は「きっと朗報が来ると期待したい」と記し、同国のナナ・アクフォ＝アド大統領も「我々の心と祈りは生存者に向けられている。同胞であるクリスティアン・アツが無事に元気で見つかることを祈る」とツイートした。

　そしてアツが日曜日の試合後に投稿したツイートの返信欄には1000件近いメッセージが書き込まれ、世界中から生還を望む声が殺到している。

　一刻も早い救助と無事を祈るばかりだ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

【追報】トルコ大地震で瓦礫の下敷きになったガーナ代表MFの生存を確認。ただ、右足と呼吸器系にダメージか

【画像】アツが被災の数時間前に投稿したツイート。返信欄には世界中のファンからメッセージが…