ブライトンの日本代表アタッカー、三笘薫の勢いが止まらない。現地１月29日に開催されたＦＡカップ４回戦のリバプール戦で先発出場を果たすと、持ち味のドリブルやスピードでチームアタックを活性化。極めつけは１－１で迎えたアディショナルタイムで、見事な右足弾を叩き込んで逆転勝利の立役者となったのだ。

　その鮮烈なパフォーマンスにイングランド国内のみならず、ヨーロッパ大陸のメディアも賛辞を贈っている。「ミトマの終盤の衝撃でリバプールが敗退」の見出しを打って、速報記事を出したのはスペイン紙『マルカ』のウェブ版だ。その圧倒的な輝きに目が眩んだのか、それとも興奮しすぎたばかりのミスなのか。書き出しはこうだ。

「ブライトンのコウル（※原文が「Kouru」）ミトマが93分に見事なゴールを決め、リバプールをやり込めた」

　そして、三笘とマッチアップしたイングランド代表ＤＦを引き合いに出し、ブライトンを勝利に導いたヒーローの活躍を伝えた。

「イングランドのサイドバック（トレンド・アレクサンダー＝アーノルド）はいつも脆弱な守備を批判されているが、今回は（途中まで）パーフェクトだった。しかし、ミトマが問題を引き起こした。ブライトンの攻撃を支える日本人は多彩なフェイントで、リバプールのディフェンダーを狂わせたのだ」
 

　試合が進むにつれて、存在感を強めた「日本人はブライトン最大の危険だった。アレクサンダー＝アーノルドに悪夢を見させたのだ。クロップはたまらずアレクサンダー＝アーノルドをジェームズ・ミルナーに交代させている（59分）」と、敵将ユルゲン・クロップに与えた影響の大きさについても綴っている。

　また、決勝点となった逆転ゴールについては「トドメの言葉」と記した。

「予断を許さない試合だった。どちらのチームもカウンターアタックでゴールを奪うことができた。そして混沌とした雰囲気の中で、（最後に）ミトマが現われた。日本人はリバプールをＦＡカップから排除するというトドメの言葉を持っていたのだ」

構成●ワールドサッカーダイジェスト編集部