沖縄県でキャンプを行なっている浦和レッズは１月15日、今季初の対外試合となる沖縄SVとのトレーニングマッチを実施し、５－１の勝利を収めた。

　マチェイ・スコルジャ監督が就任してチームの始動からわずか10日ほどだが、積極的なハイプレスでチームの重心を前に傾けていく姿が実戦で見られた。

　６日に新体制発表会見とトレーニング初日を迎え、その席上でスコルジャ新監督は「ハイプレスを増やしたい」とコメント。自身の哲学については「ボールを失ったらできるだけ早く取り返す、できれば相手のペナルティエリアの近くで取り返すことをしたい」と話していた。

　その言葉の通りに浦和は、相手の最終ライン、あるいはGKまで積極的なプレッシングに出る場面が目立った。サイドハーフやサイドバックも連動して敵陣でボールを奪いに行く姿勢は、リカルド・ロドリゲス監督が率いていたここ２シーズンのチームにはあまり見られなかった。実際にそのプレスが実り、敵陣のペナルティエリア近くでボール奪取に成功する場面もあった。
 

　一方で、プレスに行った最前線の後ろ側でボールを受けようとする相手へのパスコースを切れずに通されてしまうシーンや、前線を下げるのか、ボランチが前に押し出すのか、はっきりしないプレーも少なからずあり、細部の確認は必要になるだろう。それでもGK西川周作は「練習でやっていたより、できていた」と前向きな印象を話した。

　前半の４分に関根貴大が左サイドから中央へドリブルでカットインし、突破して決めたゴールを皮切りに５ゴールの大量得点となったが、その関根と荻原拓也は良好な関係性で左サイドを活性化していた。

　荻原はチームの２点目のダヴィド・モーベルグの得点をアシストしただけでなく、中央にポジションをとってワンツーの受け手になるなど、幅の広い動きを披露していた。そして、プロ２年目の安居海渡は、前半終了間際に鮮やかな左足ミドルを決めるなど、今季はレギュラー争いに絡んできそうなプレーを見せる。自身もまた「やれているところを監督に見せるのも大事だと思う」と、初の実戦機会で結果を出したことに手応えを得たようだった。

　後半は１失点こそあったものの、北海道コンサドーレ札幌への期限付き移籍から復帰した興梠慎三と、ロアッソ熊本から加入した髙橋利樹が揃ってゴール。興梠は「１年しか離れていないけど、また新しいメンバーという感じ」と浦和へ復帰した心境を話し、攻撃の組み立て方について「もっと中にボールを入れてきていいという感もあったけど、自分がキープできるところを見せて安心感を与えればいいので、その信頼関係はこれから」と語った。

　全体的にはハイプレスを実現するために走力や強度が必要になるが、ボールキープしながら前進していくことも求められている。プレーエリアを高くしながらダイナミックなサッカーを志す浦和は、初の実戦機会で手応えを得る順調なスタートを切っていると言えそうだ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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