モロッコの夢は、ベスト４で終わりを迎えた。王者に敗れた試合後の姿には、全世界から拍手が送られている。その姿に、彼らに敗れて涙で大会を後にしたスターを思い出した人もいるようだ。

　元ドイツ代表のディートマー・ハマンは、12月14日に行われたカタール・ワールドカップ準決勝の試合後、フランスに敗れたモロッコの振る舞いを称賛した。その一方で、ポルトガル代表のクリスティアーノ・ロナウドを批判している。

　英紙『Daily Mail』によると、『RTE』に出演していたハマンは、試合後にフランス陣営をたたえたモロッコの様子に「彼らはこのワールドカップに人間的な側面をもたらしてくれたと思う」と述べた。

「スーパースターとかトッププレーヤーとか、大金を稼いでいるとか騒ぐけど、最も偉大な選手のひとりが１週間前にどう舞台を去ったかを考えてみよう。ロナウドだ。彼は試合後に相手を祝福することすらできなかった」

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　ポルトガルは準々決勝でモロッコに０-１と敗れ、ベスト８敗退に終わった。ベンチスタートから途中出場したロナウドは、試合終了の笛が吹かれると、すぐにピッチを後にし、ロッカールームに向かう通路で涙を流していた。

　ハマンは「彼ら（モロッコ）はその試合（ポルトガル戦）に勝ち、歴史的なことを成し遂げた。だが彼はその彼らが成し遂げたことを祝福する尊厳すらなかったんだ」と続けている。

「そして今、彼らがフランスと握手するのを見た。敗北の中で彼らは尊厳と礼儀を示したんだ。素晴らしい」

　37歳のロナウドはモロッコ戦後、自身のSNSに、ワールドカップを制して世界の頂点に立つという夢は終わったと記した。「最大の夢」に終止符が打たれ、あふれる涙をこらえきれなかったロナウドだが、その去り方が議論を呼んだのは記憶に新しい。

　ハマンは、ロナウドの行動を批判した。一方で、擁護する人もいるのは確かだ。一挙手一投足が騒がれるスターには、追い求めた夢が散ったときも、様々な意見が寄せられる。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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