カタール・ワールドカップの第３戦でスペイン相手に２－１の逆転勝ちを収めた日本代表。今回は現地カタールで観戦していた元日本代表MF、橋本英郎に、連載コラム「現役の眼」の特別版として、試合に出場した全16選手と森保一監督の採点＆寸評をお願いした。

　目利きの男は、世紀のアップセットを起こしたサムライたちをどう見たのか。以下の通りだ。

ＧＫ
権田修一　6.5
「１失点以外は安定感があった。後半の危険なシュートも読み切ってがっちりキャッチ」

ＤＦ
板倉　滉　6.5
「失点シーンではマークの受け渡しが遅れてしまい、失点に関与。ただ、それ以外の場面でやられるシーンはほぼなく、守る安心感を与え続けた」

吉田麻也　6.5
「モラタにヘディングを決められた場面。マークの指示を出せずにいたところはマイナスポイント。それでも補って余りあるほど、確かな守備での統率があった。シュートのこぼれ球をギリギリのところでクリアしたシーンもあり、守備全体に関して、前向きのアクションをコーチングで引き出した」

谷口彰悟　6.5
「グループステージ最終戦という難しい試合だったにも関わらず、スムーズに入り、攻撃時はポゼッションでも上手く参加。長友、三笘と自身のサイドでの対応が変わるなか、そこでも巧みに対処していた。気になったのは、一度ワンツーで破られたシーン。次戦では起きないようにしたい」

ＭＦ
伊東純也　６
「不慣れなポジションながら守備に奔走。攻撃でも違いを見せられそうな瞬間もあったが、ポジション的に難しさも感じながらも、全力でチームのために走り続けた」

長友佑都　６（HT OUT）
「前半の上手くいかない時間帯でも、声を出しながら耐える、前向きな守備へと転換さえ、周囲をしっかりサポートしていた。攻撃面でも一度ビッグチャンスになりそうなクロスも」
 

田中　碧　７（87分OUT）
「前半は思い通りのプレーはできなかったが、後半立ち上がりから交代選手とともにギアを上げ、殊勲の決勝点を挙げた」

守田英正　6.5
「試合を通じて、数的不利な状況のなかでの守備構築を上手く図っていた。攻撃面では少しパスがずれるところはあったが、スペイン相手に守備の強度を保ったまま攻撃へとなると、難しい面もあった」

久保建英　６（HT OUT）
「試合後の本人コメントにもあったように調子は良さそうだったが、チーム戦術の犠牲になっている印象。ボールタッチの感覚も悪くないので、周りとの連携で合ってくればまた状況も変わりそう」

鎌田大地　６（68分OUT）
「守備重視のなかでは、活きるポイントが少なくなってしまう。得意ではないプレーも頑張って、後半立ち上がりには同点ゴールに繋がるハイプレスを敢行したが、出場時間内ではなかなか連動した守備に繋がらなかった」

ＦＷ
前田大然　6.5（62分OUT）
「前半はひとりで広範囲の守備を実践し、後半の立ち上がりの前線での守備、逆転してからの守備と奮起。本来のＦＷとしての役割以上にチームの“ファーストＤＦ”として活躍。攻撃面では簡単なロストが気になった」