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「誰よりも懸ける想いがあった」祖母の命日に決めた直接FK弾。U-16代表FW名和田我空は大切な家族の想いを胸に新たなスタートを切る

カテゴリ:日本代表

松尾祐希

2022年10月09日

2試合連続弾の俊英。戦う姿勢に成長の跡

テクニックとシュートセンスで勝負する名和田。「アジアの強度を体感して変わった」と手応えを示す。写真:松尾祐希

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 来秋のU-17ワールドカップを目ざすU-16日本代表は、ヨルダンで行なわれているU-17アジアカップ予選(U-17W杯の最終予選を兼ねる本大会は来年5月)を戦っている。

 5か国総当たりのリーグにおいて、予選を突破するためには1位、もしくは各組2位の上位6チーム以内に入るしかない。森山佳郎監督が率いる日本は、3戦目が終わった時点で3連勝。10月3日のフィリピン戦で3−0、5日のトルクメニスタン戦で7−0の大勝を飾り、7日のシリア戦も3−0と快勝して、最終戦を待たずして1位抜けを確定させた。

 最終戦となる9日のヨルダン戦は、消化試合の意味合いが強くなったように見える。ただ相手は2位での予選突破を目ざしており、ホームの声援を受けながら死に物狂いで戦ってくる可能性が高い。

 そうした相手に日本がどのような戦いを見せられるか。森山監督が「はっきり言って、1次予選の戦いではなく、最終予選に向けた準備と競争が始まっている」と言い切るように、ヨルダン戦は生き残りを懸けたサバイバルレースのオープニングマッチとなる。そうした状況下で、期待したいのがFW名和田我空(神村学園/1年)だ。

 U-16の世代はFWに将来性豊かな選手が揃っており、まさに人材の宝庫で特長もバラエティに富む。今予選はフィジカル能力に長ける徳田誉(鹿島ユース)、200センチの高さを誇る木吹翔太(広島ユース)、中学卒業前の今年3月にJ2でベンチ入りを経験した186センチの大型ストライカー道脇豊(熊本ユース)がメンバー入りしている。

 168センチでテクニックとシュートセンスで勝負する名和田とは異なる特長を持っており、それぞれが武器を発揮しながら今大会、ゴールを重ねてきた。徳田が3試合連続ゴールを含む6得点を挙げ、木吹と道脇も2得点を決めている。
 
 そのなかで名和田も、トルクメニスタン戦とシリア戦で連続ゴールをマークしており、アピールを続けてきた。とりわけ、成長の跡を示しているのが戦う姿勢だ。

 元々、技術は高く評価されていたが、フィジカル面や球際の部分は課題として残っていた。だが、今予選ではタイトなマークを受けながらも、懸命に相手に食らいついて奮闘。シリア戦では、相手DFと一触即発の雰囲気になった際も睨み返すなど、怯む様子を見せずに戦う姿が随所に見られた。

 今予選の出来について、本人は自身の得点数には不満をのぞかせるが、手応えを感じていると話す。

「神村学園ではチームのプレー強度が高い一方で、自分自身は上がっていなかったし、調子も悪かった。チームを離れて代表活動を通じてアジアの強度を体感して変わった部分があるし、相手のプレッシャーの質が違うなかで戦えたのは自信になっている」

 2試合連続ゴールで勢いに乗っているのは間違いない。しかも、シリア戦で決めた直接FK弾は自身にとって特別な得点で、自らを奮い立たせるゴールだったと振り返る。

「ゴールを奪ったシリア戦は祖母の命日。実は1年前の同じ日に亡くなったんです。サッカーが大好きなおばあちゃんで、そういうのもあって自分は気合が入っていた。ゴールを届けたかったので、本当に良かった。だから、誰よりもあの試合に懸ける想いがあった。中3で出場したプリンスリーグ九州や高校の練習に参加した時にも観にきてくれるほど、サッカーが好きだったんです」

 小学校卒業後に宮崎から越境して鹿児島の神村学園中に進み、そこからは祖母と離れて暮らしていた名和田。病で倒れた時も心配をかけたくないという本人の願いもあり、自分だけはその事実を知らされていなかったという。そうした祖母の想いを背負い、決めたゴールが自身に新たなパワーを生み出す。

 今予選もあと1試合。ここまで2得点を挙げている俊英は満足していない。天国の祖母に届ける特別なゴールを胸に刻み、アジア杯、その先のW杯に向けて新たなスタートを切る。

取材・文●松尾祐希(フリーライター)

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