5日のトルクメニスタン戦では2ゴール
U-17アジアカップ予選を戦っているU-16日本代表は、10月3日の初戦でU-16フィリピン代表に3−0で勝利し、続く第2戦はU-16トルクメニスタン代表を7−0で下して2連勝を飾った。
今予選で1位もしくは各組2位の上位6チームに入れば、来年5月に開催される本大会に出場できる。さらにそこで上位4チームに入れば、同年秋に行なわれるU-17ワールドカップ行きが決まるだけに、今予選は世界の扉を開く第一歩となる場だ。
中1日の連戦となる今予選で2連勝を飾っている日本だが、侮れない相手が控えている。第3戦はU-16シリア代表、第4戦はホスト国のU-16ヨルダン代表と相まみえる。ヨルダンはU-16西アジア選手権のチャンピオンで、シリアは同大会で3位になった実力を持っている。
中東らしいフィジカルの強さを活かした縦に速いサッカーを攻略するのは簡単ではなく、さらに日本のU-16世代は肉弾戦をあまり得意としておらず、8月のウズベキスタン遠征ではイランに1−3で敗北。デュエルの勝率も20パーセント前後に留まるなど、球際の勝負が課題となっていた。
だからこそ、森山佳郎監督も、今予選のテーマのひとつに「泥臭く戦うこと」を挙げており、タフに戦う姿勢を選手たちに求めてきたのもそのためだ。
まだまだ“ひ弱さ”は拭えないが、ヨルダンの地で恐れずに相手に立ち向かい、徐々にではあるものの戦える場面が増えてきた。しかし、次なる相手はシリア。今までの相手以上にフィジカルが強いだけではなく、相手は中3日で挑んでくる点を考えれば、コンディションも日本以上に整っていることが想定される。
そうした点を踏まえ、切り札として期待したいのが、広島ユースに所属するFW木吹翔太だ
ナイジェリアにルーツを持つストライカーの身長は、最近測った際には2メートルの大台に乗った模様。規格外のサイズを持つ男への期待は大きい。
JFAアカデミー福島でプレーしていた昨年はボランチも務めていたとあって、足もとの技術を活かしたプレーや懐の深いボールキープが最大の武器。テクニカルなドリブルで相手を外すだけではなく、強烈なミドルシュートも持ち合わせており、ゴールを奪う術は多彩だ。
今予選で1位もしくは各組2位の上位6チームに入れば、来年5月に開催される本大会に出場できる。さらにそこで上位4チームに入れば、同年秋に行なわれるU-17ワールドカップ行きが決まるだけに、今予選は世界の扉を開く第一歩となる場だ。
中1日の連戦となる今予選で2連勝を飾っている日本だが、侮れない相手が控えている。第3戦はU-16シリア代表、第4戦はホスト国のU-16ヨルダン代表と相まみえる。ヨルダンはU-16西アジア選手権のチャンピオンで、シリアは同大会で3位になった実力を持っている。
中東らしいフィジカルの強さを活かした縦に速いサッカーを攻略するのは簡単ではなく、さらに日本のU-16世代は肉弾戦をあまり得意としておらず、8月のウズベキスタン遠征ではイランに1−3で敗北。デュエルの勝率も20パーセント前後に留まるなど、球際の勝負が課題となっていた。
だからこそ、森山佳郎監督も、今予選のテーマのひとつに「泥臭く戦うこと」を挙げており、タフに戦う姿勢を選手たちに求めてきたのもそのためだ。
まだまだ“ひ弱さ”は拭えないが、ヨルダンの地で恐れずに相手に立ち向かい、徐々にではあるものの戦える場面が増えてきた。しかし、次なる相手はシリア。今までの相手以上にフィジカルが強いだけではなく、相手は中3日で挑んでくる点を考えれば、コンディションも日本以上に整っていることが想定される。
そうした点を踏まえ、切り札として期待したいのが、広島ユースに所属するFW木吹翔太だ
ナイジェリアにルーツを持つストライカーの身長は、最近測った際には2メートルの大台に乗った模様。規格外のサイズを持つ男への期待は大きい。
JFAアカデミー福島でプレーしていた昨年はボランチも務めていたとあって、足もとの技術を活かしたプレーや懐の深いボールキープが最大の武器。テクニカルなドリブルで相手を外すだけではなく、強烈なミドルシュートも持ち合わせており、ゴールを奪う術は多彩だ。
そうしたプレースタイルを紐解いていくと、いわゆるターゲットタイプのFWではなく、1.5列目など引いた位置から自由に動くプレーを好む。そのため、肉弾戦の強さはまだまだ磨いている最中だ。
だからこそ、アジアの戦いで活躍できるか否かは、指揮官がチームのテーマとしていた“泥臭く戦う”ことにある。先発フル出場を果たした5日のトルクメニスタン戦では鮮やかな個人技と巧みなボレーで2ゴールを決めたが、得点以外では当たり負けする場面もあり、イージーなパスミスやスタントプレーも目立った。自身の出来について本人もこう話す。
「縦パスに対して相手が強く当たってくるのは、分析の時点で言われていました。そこの判断を早くしようと思ったんですけど……。縦に入った時に(相手の)ボランチやCBが当たってきたので、サイドに出すかキープするしかできず、球際を厳しく来られてボールを失ったりした。ヒールパスも引っかかって、ずれてしまうことも多かった」
そうした体験もアジアの舞台を戦っているからこそ味わえるモノ。2戦目までに得た経験をシリア戦で反映できれば、飛躍のきっかけを掴む可能性もある。
「ゴール前で余裕を持てるようになって、良いパフォーマンスができるようにしたい」とは木吹の言葉。「もしかしたら大化けするかもしれない。今のうちに刺激を与えておけば、もしかしたら、というのがある」と話す指揮官の期待に応えられるか。規格外のFWがアジアの戦いを通じてどのように変わっていくのか注目したい。
取材・文●松尾祐希(フリーライター)
【PHOTO】日本代表の歴代ユニホームを厳選写真で振り返り!(1992-2022)
だからこそ、アジアの戦いで活躍できるか否かは、指揮官がチームのテーマとしていた“泥臭く戦う”ことにある。先発フル出場を果たした5日のトルクメニスタン戦では鮮やかな個人技と巧みなボレーで2ゴールを決めたが、得点以外では当たり負けする場面もあり、イージーなパスミスやスタントプレーも目立った。自身の出来について本人もこう話す。
「縦パスに対して相手が強く当たってくるのは、分析の時点で言われていました。そこの判断を早くしようと思ったんですけど……。縦に入った時に(相手の)ボランチやCBが当たってきたので、サイドに出すかキープするしかできず、球際を厳しく来られてボールを失ったりした。ヒールパスも引っかかって、ずれてしまうことも多かった」
そうした体験もアジアの舞台を戦っているからこそ味わえるモノ。2戦目までに得た経験をシリア戦で反映できれば、飛躍のきっかけを掴む可能性もある。
「ゴール前で余裕を持てるようになって、良いパフォーマンスができるようにしたい」とは木吹の言葉。「もしかしたら大化けするかもしれない。今のうちに刺激を与えておけば、もしかしたら、というのがある」と話す指揮官の期待に応えられるか。規格外のFWがアジアの戦いを通じてどのように変わっていくのか注目したい。
取材・文●松尾祐希(フリーライター)
【PHOTO】日本代表の歴代ユニホームを厳選写真で振り返り!(1992-2022)