“マリノスファミリー”の絆を改めて感じた鹿島戦。揺るぎない一体感が横浜の強さだ

カテゴリ:Jリーグ

金子 徹(サッカーダイジェスト編集部)

2022年07月31日

ウォーミングアップ時や試合後に「17」のユニホームを着用

2-0で鹿島に勝利したあと、全員で宮市を激励した。(C)SOCCER DIGEST

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[J1第23節]横浜2-0鹿島/7月30日/日産スタジアム
 
“マリノスファミリー”の絆を改めて感じた試合だった。
 
 7月27日に行なわれたE-1選手権の韓国戦で、宮市亮が右膝前十字靭帯断裂の大怪我を負った。3日後のホームで迎えた鹿島戦で、横浜の選手たちは宮市へのメッセージが記された「17」のユニホームを着用し、試合前のウォーミングアップでピッチに登場した。
 
 そして、エウベルと岩田智輝の得点で2-0の勝利を収めたあとも、想いをこめたキットに再び、袖を通し、「トリコロールの宮市亮 再びピッチで輝け 待ってるぞ」というサポーターの横断幕を広げた。仲間たちと健闘を称え合った宮市の目には涙があった。
 
 29歳のアタッカーはこれから手術を受ける予定だ。全治などは明かされていないが、今季はほぼ絶望だろう。だからこそ、選手たちの宮市への想いは強い。
 
 試合後の会見で岩田智輝が「SNSで“現役引退も考えた”と言っていましたけど、復帰を決断してくれたから自分たちは待つだけですし、良いサポートをして、良い形で迎えたい」と語れば、水沼宏太も「(韓国戦で宮市と交代した)あの時は“頼むな!”と言って代わったので僕も悔しいし、辛いけど、その気持ちは亮のほうが強いはずなのに、みんなの前では明るく振る舞っている。僕らにできるのは勝ち続けて優勝すること。あいつに優勝カップを掲げさせてあげたい」と口にする。
 
 さらに、ケヴィン・マスカット監督も「17」のユニホームを着て会見に臨み、宮市の怪我について、「感情的になってしまう部分はある」と悔しさを滲ませた。チームに戻ってきた時に二人で話をしたことも明かし、「彼は話を始めて2、3分後にはチームのことを考えていた。走ったり、ピッチに立つことはできないが、チームに対してできることは最大限やりたい、とも話していた。こんなことが言えるのは素晴らしい」と称えた。
 
 振り返れば、14節の福岡戦でアンデルソン・ロペスが唾吐き行為で退場となり、その後6試合の出場停止処分を受けた時も、小池龍太が「彼のために勝ちたかった」、松原健が「彼から離れることはない」と語っていた。そして今回も、負傷離脱した宮市のことを監督、選手たちがリスペクトし、彼の分まで戦う姿勢を見せる。これこそがチームの一体感をさらに醸成し、今の横浜の強さを支えている要因のひとつなのだろう。
 
 今節の結果で2位鹿島との勝点差は「8」に広がり、リーグ優勝にまた一歩近づいた。残りの試合でも“マリノスファミリー”の絆を発揮して勝利を掴み取り、最後に宮市が銀色に輝くシャーレを掲げる姿が見たい。
 
取材・文●金子徹(サッカーダイジェスト編集部)
 
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