【大宮】J2を席巻する俊英ドリブラー。泉澤仁が“ひと皮剥けた”理由

カテゴリ:Jリーグ

古田土恵介(サッカーダイジェスト)

2015年09月18日

再浮上のキッカケは、8節・大分戦からのスタメン落ち。

果敢なドリブル突破が魅力のアタッカーは、31節終了時点で30試合に出場。プロ2年目ながら、レギュラーの地位を確立している。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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 チームを勝利に導く選手になりたい――。
 
 プロ1年目の昨季から、泉澤が理想とする選手像に変わりはない。だが、勝点1差でJ1から滑り落ちた悔しさを噛み締めながら迎えた今季開幕前、心境は少しだけ変化していた。
 
「チームを勝利に導く選手になる。そうすれば得点やアシストは自ずとついてくる」
 
 たとえプロ2年目だとしても、大卒の泉澤は今年12月で24歳。海外では若手とは言われない年齢だ。むしろ、チームの中心となることが求められる。
 
 それを頭の片隅で意識しつつ、願望ではなく、「俺が勝たせる」という決意をはっきりと口にした。
 
 だが、そんな想いとは裏腹に今季の船出は順風満帆ではなかった。
 
 昨季を超える働きを攻守で求められた泉澤は、いきなり壁にぶち当たってしまう。
 
「弱点の守備のことばかり考えてしまっている。攻撃でもパスサッカーを目指すなかで、自分の役割を整理できていない」
 
 そんな迷いは、パフォーマンスに顕著に表われた。
 
 2節からスタメン出場を続けたが、判断が遅いシーンが目につく。思うようなプレーができないから、焦る。それがミスを生み、ミスを怖れるあまり、ひとつひとつの動きからキレが失われてしまう。
 
 まさに負のスパイラル。
 
 さらに各クラブの“泉澤対策”が悩みを深くした。
 
「対面する選手だけならどうにかなりますけど、CBやボランチのカバーが想像以上に早い。ドリブラーとして、ひとつの大きな壁にぶち当たっていると思う」
 
 前を向いて仕掛けられるように、マーカーとの距離を取り、足下でボールを受けていた。しかし、味方との距離も遠ければ、たとえひとり目を抜いても、その後の選択肢がなくなりがちだ。
 
 そこで止められるシーンが多くなると、サイドでボールを持っても、昨季のような積極的な仕掛けは影を潜めた。
 
 そして7節・千葉戦で途中交代した後、次の大分戦から開幕戦以来の先発落ちを経験する。
 
 だが皮肉なことに、この挫折が泉澤をどん底から救った。
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