ボールを持たない時は文句なし、持った時には頼りなかった本田……――インテル 1-0 ミラン

カテゴリ:メガクラブ

サッカーダイジェストWeb編集部

2015年09月14日

守備の貢献や忠実な動きは大事だが、ゴールが必要な場合は…。

ボールを持った後の判断や動きがやや鈍く感じられた本田。代表帰りということでコンディションが悪かっただけなのか、これが彼のプレー特性なのか……。 (C) Getty Images

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スピードに乗ったドリブルから素晴らしい決勝ゴールを放ったグアリン。インテルはまだ完成には程遠い状態にあるものの、個々の力は随所で発揮され、今後が楽しみなチームとである。 (C) Getty Images

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 セリエA第3節、通算で181回目、国内リーグ戦では167回目となる伝統の一戦「ミラノダービー」が行なわれ、1-0でホームチームのインテルがミランを下した。
 
 これでダービーにおける通算成績は、インテルの67勝56分け58敗(国内リーグ戦では63勝52分け52敗)となった。
 
 今シーズンより加入した選手は、インテルが5人、ミランが4人。だからというわけではないが、ミランが組織プレーでは若干上回り、インテルは優れた個の力でこれに対抗するという展開となった。
 
 開始2分で、インテルDFのパスをカットしたカルロス・バッカがルイス・アドリアーノにスルーパスを通して決定機を得る。これはGKサミール・ハンダノビッチに防がれるも、ミランの2トップは個の力、連係ともに、早くもチームに不可欠な武器であることをうかがわせた。
 
 一方のインテルはパスの受け渡しがぎこちなく、守備では前述の通りあわやのピンチを招いてしまい、攻撃では選手間の意思の疎通が合わず、ミランDF陣に容易にカット、あるいはクリアされることが多かった。
 
 過去2戦では組織面で、対戦相手を大きく下回ったミランだが、今回は気持ち良くパスをつないでインテルゴールに迫った。
 
 過去の2戦と大きく違っていたのは、中盤の構成力・展開力である。ナイジェル・デヨングに代わってリッカルド・モントリーボがアンカーに就いたことでボールが上下左右にうまく散り、またユライ・クツカ、ジャコモ・ボナベントゥーラはスペースへの良い飛び出しとドリブル突破で、ミランの攻撃をぶ厚くしていた。
 
 比較的容易にペナルティエリア手前まで進撃することができたミラン。しかし、インテルはここから人数をかけて厳しいマークを仕掛け、シュートコースをふさいできた。これを破るには、敵を欺くアイデアが必要だ。そんなラストピースをはめるような役割は、本来であればトップ下に求められるところだった。
 
 ミランのトップ下を務めたのは本田圭佑。セリエAでのダービー先発は今回が初である。代表帰りの彼は、この試合でもピッチを縦横無尽に動き回った。チャンスと見るや長距離を空いたスペースへ全速力で走り、ボールを失うと、MFを追い抜いて自陣に戻っていった。
 
 ボールを持たない時の本田の動きは、攻撃の選手としては全く問題がなく、さらに守備でも大きく貢献していた。チームにとっては間違いなく重宝する存在だろう。攻撃では、2トップに相手DFの意識がいくのを利用し、必ず空いたスペースへ移動することを怠らなかった。忠実、真面目という言葉がぴったり合う動きである。
 
 よく動いた本田。が、そこにタイミング良くボールが渡る回数は多くなかった。これは、チームが彼を活かせなかったと言えるだろう。この試合では、後ろ向きでボールを受け、背後から厳しいマークを受ける場面がほとんどだった。
 
 しかし、トップ下とは周囲が自分を活かしてくれるのを待っているポジションではない。その点で、本田は残念ながらボールを持った時には、相手に脅威を与えることができなかった。シュートを2本放つも確率が高いものでなく、その他のプレーでは効果的なものは皆無。トラップと同時にボールを奪われる場面も少なくなかった。
 
 ボールを持たない時の動きは文句なしだが、ボールを持った時の迫力が全くなかった本田。ボナベントゥーラがドリブルで仕掛け、スルーパスを通し、シュートも何本も放ち(不正確だったが)、マリオ・バロテッリが久々の試合出場ながら強烈かつきわどいシュートを放ったのを見ると、ボールプレーヤーとしての本田はあまりに物足りなかった。
 
 守備面での貢献は素晴らしく、チームとしての守備の弱さを彼がカバーしている部分もあるほどだが、攻撃、それも失点してゴールを奪わなければならない場面では、今のままでは頼りない。2トップとの縦横での連係をできるだけ早く熟成させることで、背番号10らしい決定的な仕事を果たすことが望まれる。
 
 後半も多くの時間帯で主導権を握ったミランだったが、インテルの守備を崩せず、58分にはフレディ・グアリンの長距離ラン→中央に切れ込むドリブル→鋭いミドルでインテルに先制を許し、これが決勝点となった。守備の不安を感じる時間は短い試合だったが、結局、大事な場面で相手のへのプレッシャーを緩めてしまった。
 
 内容はまだ伴わないものの無傷の3連勝を果たしたインテルと、過去2戦で厳しい現実に打ちのめされ、伝統の一戦で内容的には進歩を見せながらも結果を残せずに2敗目を喫したミラン。まだ序盤戦だが、両者の目に映る未来は、まるで異なるものかもしれない。

モントリーボ(左)の先発、バッカに代えてのバロテッリ(右)の起用は、いずれも間違っていなかった。チームとしては進歩が感じられた試合と言えるが、勝利だけを求めるクラブ上層部、そしてミラニスタは何を思うか……。 (C) Getty Images

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今シーズンのチャンピオンズ・リーグ決勝の舞台ということで、改修が施されているサン・シーロ。新しいベンチも披露された。 (C) Getty Images

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