５月22日に最終節が行われたセリエAは、ミランが11年ぶり19回目のスクデット（優勝）を果たして幕を閉じた。最後までタイトルを競ったミラノの街の両クラブは、互いをたたえている。

　２位に終わり、２連覇と通算20回目の優勝を逃したインテルは、公式ツイッターで「おめでとう。今季は最高の勝負だった。来年また会おう」とミランを祝福。これに対し、ミランも「ありがとう。君たちは素晴らしいライバルだった。また来シーズン！」と返した。

　ただ、優勝という結果を出した直後だけに、選手の中にも思っていたことを吐露したいという者がいてもおかしくない。『Gazzetta dello Sport』紙によると、ミランのフランス代表DFテオ・エルナンデズは「インテルのほうが強くて有利だと大勢が言っていたけど、今はどうか聞きたいね」と、当初の下馬評を揶揄している。

　こういった発言は、ある意味でライバル同士がさらにしのぎを削っていくスパイスにもなり得る。しかし、中には過激なかたちでライバルを煽るファンもいたようだ。

　戴冠が確実になってから、ミラノ市中心部のドゥオーモ広場はミラン・サポーターが集まり、優勝を祝ってお祭り騒ぎとなった。そのどんちゃん騒ぎが収まったころ、『Gazzetta dello Sport』紙が、ハカン・チャルハノールのユニホームが焼かれて捨てられていたのを見つけたと報じたのだ。

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　ミランで４シーズンを過ごしたチャルハノールは昨夏、フリートランスファーでインテルに加入。移籍金をもたらすことなく、直接ライバルクラブに向かったことで、ミラン・サポーターの怒りを買った。

　それから１年。そのチャルハノールとインテルとの競争を制しての栄光に、ミランファンとしては胸がすく思いだろう。とはいえ、ユニフォームを焼き捨てるという行為はほめられたものではないが…。

　昨シーズンは、インテルが2010年以来11年ぶりのスクデットを手にした。そして今季は、ミランがやはり11年ぶりの戴冠を果たしている。一時は低迷していたミラノの両チームが、イタリアの頂点に戻ってきた。その激しい競争を、あくまで健全に激化させていってもらいたいものだ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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