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「旗手怜央への批判は全くの見当違い」英国人記者が称賛した宿敵戦での“異次元プレー”「一人だけスローモーションのように…」【現地発】 

カテゴリ:海外日本人

スティーブ・マッケンジー

2022年04月06日

セルティックのファンはマエダの姿に感銘を受けたはずだ

せわしない展開となったレンジャーズ戦で、落ち着いて中盤をコントロールした旗手。(C)Getty Images

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 4月3日に行なわれたレンジャーズ対セルティックは、ここ数年のグラスゴー・ダービーで最大の対戦だったと思う。勝利したセルティックは、タイトルレースで大きなアドバンテージを得ることになった。

 試合前は、古橋亨梧がハムストリングの怪我から復帰するかどうかが話題となっていたが、結局ベンチにも入らなかった。アンジェ・ポステコグルー監督のスタイルはアグレッシブで、ハードワークを要求する。古橋が100%でなかったのなら、ギャンブルをする価値はない。

 おそらく指揮官は、この試合で古橋を起用できないことを少し前に分かっていただろう。だが、「使うかもしれない」とレンジャーズサイドに思わせるために、あえて「欠場する」とは言わなかったのだ。これは非常に巧妙だった。この事実は、日本代表FWが、セルティックとレンジャーズの両方から高く評価されていることを示している。

 セルティックが3-0で勝利した2月の対戦では、驚きの2ゴールを挙げた旗手怜央が主役となった。だが、敵地アイブロックスでは、はるかに難しい展開になると予想され、実際にそうなった。レンジャーズにプレスを掛けられ、開始早々にアーロン・ラムジーにゴールを許したのだ。

 だが、その4分後に、旗手のミドルシュートをGKが好セーブしたところをトム・ロギッチが詰めて、同点に追いつく。アイブロックスは一時的に沈黙した。その後、セルティックは前半の残り時間、試合をコントロールした。

【動画】旗手の鋭いミドルシュートが呼び込んだセルティックの同点弾
 前田大然は35分に勝ち越し点のチャンスを逃し、その直後にも決定機があった。得点はしなかったが、適切なポジションにいるのは悪くない。しかも、このアタッカーは、90分間エンジンを切ることなく、走り続けた。セルティックのファンは、その姿に感銘を受けたはずだ。

 そして旗手は、オールドファームらしく、行ったり来たり、ゲーム展開が猛烈なスピードになっても、彼自身のペースでプレーし、非常に落ち着いて試合をコントロールしていた。ひとりだけスローモーションのようだった。

 前回のレンジャーズ戦のインパクトが強すぎたのが、最近の旗手のプレーを批判するメディアやファンもいるが、全くの見当違いだ。このレンジャーズ戦でも、両チームの選手が気持ちだけはやってせわしない展開となるなか、“異次元”のプレーを見せたのだ。

 ただ、61分に交代する時には、とても疲れているように見えた。ポステコグルーのハイテンポな戦術であれば、60分に交代するのは恥ずべき事ではない。ハードワークをこなした証だ。

 古橋がプレーしていたら、彼らが生み出したチャンスのいくつかを仕留めたいたかもしれない。代役を務めているギオルゴス・ギアクマキスは最近好調だが、古橋ではない。

 結局。セルティックは2-1で勝利し、宿敵との差を6ポイントに広げた。この試合では、圧倒した前回のレンジャーズ戦とは異なるパフォーマンスだった。それは、“王者”に相応しいそれとも言えた。その中心にいたのが、旗手と前田だったのだ。
 
文●スティーブ・マッケンジー(サッカーダイジェスト・ヨーロッパ)

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