「何かが崩れ落ちてしまった」川口能活に引退を決意させた“7失点”と妻の涙

カテゴリ:Jリーグ

サッカーダイジェストWeb編集部

2022年02月28日

現役ラストマッチは1-0の完封勝利

2018年に現役を退いた川口氏。鈴木氏のYouTubeチャンネルで引退の理由を語った。(C)SOCCER DIGEST

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 最愛の人の涙を見て、ひとつの決断がくだされた。

 現役時代は横浜や磐田ほか、欧州クラブでもプレーし、日本代表としては4度のワールドカップに出場した川口能活氏が、浦和のレジェンド鈴木啓太氏のYouTubeチャンネルに出演。自身の25年間にわたるプロキャリアの“終幕”について語った。

 川口氏がグローブを置いたのは、2018年シーズン。J3の相模原に所属して3年目だった。

「2018年シーズンに、徐々に出場機会がなくなってきて、自分としては当然、プロである以上、試合に出たいから、試合に出られない状況であれば、移籍ないし、選手としてのキャリアを終える必要がある、というふうには感じていた」

 開幕から4試合は定位置を確保も、その後は控えに。当時43歳の守護神にチャンスが回ってきたのは、9月の敵地での鳥取戦だった。

「レギュラーだった田中雄大選手(現・秋田)が熱を出してしまって、試合出場が難しい、と。急きょ、出番が回ってきた。ただ自分は準備してきたから、『やってやるぞ』という気持ちで試合に臨んだ」

 結果は0-7の大敗。GKにとってノーチャンスの失点が多かったが、「だけど、やっぱり7点取られたっていうのは自分の中で、何かが崩れ落ちてしまった」。
 
 家に帰り、妻の顔を見て、「さらにガタガタって崩れたというかね」。そして「辞める」と伝えた。

「『どうしようか、どうしようか』ってずっと考えてはいた。でもやっぱり、7点取られるってけっこう、つらい。で、「まぁでもな」ってモヤモヤしているところで、妻が目をウルっとした顔をして、玄関で待っているところを見たときに、ちょっとね……もういいかなって」

 2018年シーズンの最終節、ホームでの鹿児島戦。すでに引退を表明していた川口氏がピッチに立つ。現役ラストマッチは1-0の完封勝利。「キーパーにとっては理想的なスコア」で有終の美を飾った。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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