[高校選手権３回戦]関東一３‐２矢板中央／１月２日（日）／フクダ電子アリーナ

　溢れる涙が止まらなかった。

　１月２日に開催された第100回全国高校サッカー選手権大会で、ここ４年で３度のベスト４を誇る矢板中央が（栃木）が関東一（東京B）と対戦。終了間際に決勝点を奪われ、２‐３で敗れた。

　高橋健二監督が「今年のチームは堅守速攻だけでなく、攻撃にもタレントがいる」と評したチームは、しかし伝統の堅守に綻びが生じる。

　６分にあっさり先制を許すと、24分にPKで追いついたものの、その３分後に再び勝ち越しゴールを献上。後半７分にオウンゴールで振り出しに戻すも、最後は防戦一方となり、78分に敵FW本間凛のシュートで被弾し、万事休した。

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　１年生からゴールマウスを守り、２大会連続の４強入りに貢献したキャプテンのGK藤井陽登は、涙が止まらなかった。

「立ち上がりに失点してしまって、流れが良くなかった。味方が点数を取ってくれたんですけど、自分のミスで失点してしまったので、後悔というか、すごく悔しいです」

　悔やんだのは、バーに当たったシュートの処理をもたついている間に詰められた２点目だ。

「初戦の米子北戦も、今日も自分のミスで失点してしまった。キックも安定していなかった。いつもの自分が出せなかったので、今までの試合で一番後悔が残っている」

　それでも、その初戦ではPK戦では３本連続のセーブを披露。「大会ナンバーワンGK」との評判に違わぬ実力を見せつけた。

「３年間やって来て、このピッチに立てたのは誇らしいことなので、次のステージに活かせたらと思います」

　卒業後は強豪の明治大学に進む。「大学で１年生から試合に絡むように努力して、プロになれるように頑張りたい」と語った守護神は、もう前を向いていた。

取材・文●江國 森（サッカーダイジェストWeb編集部）

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