前半戦を終えたプレミアリーグEAST。首位で折り返したのは鹿島ユースだった。前半戦ラストの２位・市立船橋との首位攻防戦では、堅守とスピード十分の攻撃を誇る市船に対し、それを凌駕する走力と前への推進力を見せて２-１の勝利。最終的に２位となった大宮ユースに勝点４差をつけて首位を走っている。
 
　６勝３分けと、とにかく“負けない”鹿島。熊谷浩二監督が就任してから、元々技術の高い選手たちに、強さと走力が加わった。
 
「自分たちの思うようにいかないこともある。でも、その時にどう戦えるのか。自分たちの流れではないなかで、いかに点を取るか、守れるか。勝ち切ること、負けないこと。我慢できる力が普段の練習などを通じて、身に付いてきた」
 
『巧い集団』から『戦う集団』へと変化させた熊谷監督。これが如実に現われたのが、４節の大宮戦だ。攻撃陣にタレントを揃える大宮の前に、ポゼッションで優位に立たれ、攻め込まれる苦しい展開だった。前半の猛攻を耐え凌ぎ、後半にセットプレーで先制するも、その後相手のクロスが直接入り同点に。それ以降も劣勢を耐え続け、１-１のドローに持ち込んだ。苦しくても負けない――。これが首位に位置する最大の理由となっている。
 
　今季から初参戦の大宮もまた、鹿島同様に負けなしの４勝５分けで２位に浮上した。前評判は非常に高かったが、札幌U-18戦以外は攻め込めど、決勝点を奪えず、開幕から１勝３分け。「引いた相手をどうやって崩すか。厳しさを感じるが、アタッカー陣の奮起に懸かっている」と伊藤彰監督が語ったように、５節の清水ユース戦で前線の２トップを軸にした強力攻撃陣が爆発し、３-０の完勝を収めると、一気に波に乗り、２位まで追い上げた。
 
　得失点差で大宮に劣るも、２つの高体連チームが同勝点で並んでいる。３位の青森山田は開幕から３連勝と、スタートダッシュに成功。攻守が噛み合ったサッカーで安定感のある戦いぶりを見せている。同じく４位の市立船橋も組織力の強さをベースに安定感があり、FW永藤歩、MF高宇洋を軸に攻撃力の高い選手が揃い、点を奪い切る力がある。
 
　上位陣に共通しているのは堅守を誇るだけでなく、それ以上に爆発的な攻撃力を持っていること。相手の守備を凌駕する攻撃が、チームを上位に引き上げている。後半戦は上位陣がこの勢いを継続するのか、それとも新たに浮上してくるチームが出てくるのか。ここが見どころになる。