今年も残すところあと数週間。本稿では、2021年のサッカー界における名場面を『サッカーダイジェストWeb』のヒット記事で振り返る。今回は、今夏に川崎フロンターレから籍を移したブライトンからのレンタルで、ベルギーのユニオン・サン＝ジロワーズに加わった三笘薫のハットトリックをプレイバック。24歳のアタッカーの”偉業”に、海外メディアも驚嘆した。

記事初掲載：2021年10月16日

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　現地時間10月16日に行なわれたベルギー・リーグ第11節で、MF三笘薫が所属するユニオン・サン＝ジロワーズはスランと対戦し、４-２で大逆転勝利を収めた。

　この試合で三笘は圧巻のハットトリックを達成したのが三笘だった。ベンチスタートだった24歳のアタッカーは、前半だけで２失点したうえ、２度目のイエローカードでラザレ・アマニが退場するという絶望的な状況で、後半頭からピッチに投入される。

　すると、さっそく起用に応え、55分に左サイドから切り込んで、グラウンダーのシュートでリーグ戦初ゴールをマーク。これでチームは息を吹き返し、66分にはダンテ・ヴァンツエイアがネットを揺らし、同点に追いついた。

　さらに76分、ヴァンツエイアのスルーパスに反応した三笘が右足で冷静に流し込んでネットを揺らし、３-２の逆転に成功する。そして90分、自陣のインターセプトからボールを受けたドリブラーは、ドリブルで爆走。左サイドから切れ込んでDFを振り切り、右足でシュート。ハットトリックとなるゴールでスランを完全に突き放した。
【動画】３点目のドリブル弾は圧巻！三笘薫が達成した衝撃のハットトリック

　現地紙『De Standaard』は「交代した三苫が試合を完全に変えた」と称賛している。

「ユニオンSGはスランとの壮絶な試合を制して勝点３を手にした。ハーフタイムを迎えた頃にはピッチ上にひとり少なく、２点を失っていた。だが、後半からカオル・ミトマが悪魔のような活躍で試合をひっくり返した。

　日本を代表するアタッカーは見事に敵DFを翻弄した。その姿に呼応したチームは、まるで数的不利を感じさせず、むしろひとり多いようにすら感じさせた。三笘のシュートは３回にわたってネットを揺らし、サポーターにとって夢のような午後をもたらしたのだ」

【動画】この試合の“主役”である三笘が、サポーターと飛び跳ねて喜ぶ姿をチェック！

　また、現地局『RTBF』は「スーパー・ミトマだ。記憶に残る一戦。こんな展開を誰が信じるだろうか？」と驚嘆した。

「ミトマはセンセーショナルな方法でチームを生き返らせ、スランに平手打ちを食らわせ、混乱に陥れた。クロスを打ち込み、シュートを放った日本人のワンマンショーはハットトリックで幕を下ろした。ユニオンのサポーターは、新たな人気者を発見した」

　加えて、現地メディア『WALFOOT』は「フェリーチェ・マッツ監督の判断に拍手を送るしかない。そして三笘は救世主となった」と綴っている。

「カスパー・ニールセンは『フェノメナル（驚異的）という言葉がぴったりだ』と同僚を称えた。三笘はゴール前では冷静さを持ち合わせている。今日、スランのDFはこれを無防備に観察するのがやっとだった。マン・オブ・ザ・マッチを探すのはやめよう。無駄なことだ」

“昇格組”ながら、順調に勝点を積み重ねていたユニオンSGは、三笘の活躍で劣勢をひっくり返し、暫定首位に浮上した。「鮮烈な印象を残した」（『RTBF』）三笘は、一気に注目を集める存在となりそうだ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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