少し前までイタリアで「絶対王者」と言われたユベントスが苦しんでいる。

　10月30日のセリエA第11節、ユベントスは敵地でヴェローナに１-２で敗れた。前節サッスオーロ戦に続く連敗で勝点15のまま足踏み。今節の残り試合次第では首位と16ポイント差になる。

『Gazzetta dello Sport』紙によれば、開幕11節で４敗を喫したのは、クラブ史上４回目。過去３回はいずれも４位、５位、６位という結果だった。また、10節までに４敗した過去４回の最終順位も、４位、６位、８位、13位だ。

　これを受け、同紙は「スクデットどころかトップ４が最大の目標」「歴史が繰り返されれば、この時点でスクデットは禁句」と、ユーベが優勝争いから脱落し、チャンピオンズ・リーグ（CL）出場権を獲得できれば御の字だと報じた。

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　また、『calciomercato.com』は「危機。ユベントスの現状を説明する唯一のひどい言葉がこれだ」と酷評。おひざ元トリノを拠点とする『Tuttosport』も、「こんなユベントスではCLにも出られない」とこき下ろしている。

「アイデンティティー、プレー、集中、気質を失ったチーム。この10年でなかったトンネルに入りこんだ。抜け出すには、徹底した明晰で厳しい分析が必要」

　衛星放送『Sky Sport』によると、マッシミリアーノ・アッレーグリ監督は、試合後に「ひどい状況だ。責任を負い、現実を受け入れる必要がある。我々は中位のチームだ。勝点15がふさわしい」と怒りを露にした。

「恥を知り、黙って謙虚に仕事しなければいけない。それが唯一の薬だ。抜け出すには意欲を持つしかない。わたしは、この状況を脱すると確信している」

　さらに、指揮官は泥臭い仕事に立ち向かう気質の重要性を説き、「他より上と考えてはいけない」「相手をリスペクトせず、十分なプレーをせずに勝つ偉大なチームなどない」と、謙虚に挽回を目指さなければいけないと話した。

「今は黙って仕事し、そして勝たなければいけないとき。それがもっとも重要だ」

『Gazzetta dello Sport』によると、ユベントスは不振を受け、週明けの11月１日から合宿を行う可能性もあるとのこと。名門ユーベは、この難局を乗り越えられるのだろうか。

構成●ワールドサッカーダイジェスト編集部

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