総理大臣杯準決勝では東洋大に延長の末に敗れる。次は悲願の関東2部リーグ昇格が目標に
そして迎えた総理大臣杯。サイドではなく4-4-2のFWとしてスタメン出場をした平河は、その神出鬼没さにさらに磨きをかけていた。初戦で関西1部の強豪・びわこ成蹊スポーツ大を相手に決勝ゴールを挙げて2-1の勝利を引き寄せると、3回戦は福山大でも1ゴールを挙げて5-1の圧勝。準々決勝では産業能率大とのリベンジマッチを制して、初出場でベスト4まで駆け上がった。
迎えた東洋大との準決勝。2トップの一角ながら、平河は右、左、そして中盤の位置まで幅広く顔を出してボールを受けては、ドリブルとパスを駆使して攻撃のリズムを作り出した。試合は1点のリードを追いつかれる苦しい展開の中で、延長戦に入っても運動量を落とさず、スペースに飛び込んではドリブルとパスでボックス内侵入を狙い続けた。
だが、フィニッシュまで顔を出すが、ゴールネットを揺らせなかった。縦への仕掛けでシュートレンジまで行っても、シュートはDFのブロックに遭ってしまう。チーム最多の3本のシュートを放ったが、ノーゴール。チームも97分に失点し、1-2で敗れた。
「試合をこなすごとに『やれる』という手応えを感じましたし、いつも通りのプレーが出せていると感じました」
この言葉が示す通り、彼はアミノバイタル、総理大臣杯を通じて成長をしたことは間違いないが、もともとベースとなる技術、戦術眼、判断力のクオリティが高かったからこそ、相手のレベルが上がっても『いつもの自分』を披露することができたのだった。
さらに「やっぱり都リーグだと活躍をしてもあまり多くの人に見てもらえない。関東や全国に出れば注目されるチャンスだと思っていた」が、アピールチャンスに対して力まずにナチュラルにプレーできたのも、彼のメンタリティの強さとやはりこれまでコツコツと培ってきた日々がものを言った。
「高校時代からプレースタイルが変わったと思いますが、これも佐賀東の蒲原(晶昭)監督が狭い局面ではポゼッションやドリブルの使い分け、広い局面では思い切って仕掛けるなど、プレー技術と判断をずっと培ってくれたので、それが大学でも僕のベースになっていると思います。大学では岩渕(弘幹)監督が僕に自由を与えてくれて、いろんな新しい景色を見ることができた。本当に感謝しています」
より魅力的な選手に成長をした彼のもとには複数のJクラブが注目し、具体的なアクションを起こしているクラブもある。これから舞台は再び都リーグに戻るが、彼には過去2年連続で都リーグを制しながらも、昇格決定戦で阻まれ続けた関東2部昇格という悲願がある。
「ずっとあと一歩のところで悔しい思いをしてきた。確実に関東2部に上がりたいし、そこでもっと成長をしたい」
ステージに立つ権利さえ獲ればやれることは証明できた。だからこそ、なんとしてでも悲願達成をし、次なる高みを目指すために。平河悠の挑戦はまだ序章に過ぎない。
取材・文●安藤隆人(サッカージャーナリスト)
【PHOTO】J内定者から隠れた逸材まで…2021大学サッカー注目プレーヤー
だが、フィニッシュまで顔を出すが、ゴールネットを揺らせなかった。縦への仕掛けでシュートレンジまで行っても、シュートはDFのブロックに遭ってしまう。チーム最多の3本のシュートを放ったが、ノーゴール。チームも97分に失点し、1-2で敗れた。
「試合をこなすごとに『やれる』という手応えを感じましたし、いつも通りのプレーが出せていると感じました」
この言葉が示す通り、彼はアミノバイタル、総理大臣杯を通じて成長をしたことは間違いないが、もともとベースとなる技術、戦術眼、判断力のクオリティが高かったからこそ、相手のレベルが上がっても『いつもの自分』を披露することができたのだった。
さらに「やっぱり都リーグだと活躍をしてもあまり多くの人に見てもらえない。関東や全国に出れば注目されるチャンスだと思っていた」が、アピールチャンスに対して力まずにナチュラルにプレーできたのも、彼のメンタリティの強さとやはりこれまでコツコツと培ってきた日々がものを言った。
「高校時代からプレースタイルが変わったと思いますが、これも佐賀東の蒲原(晶昭)監督が狭い局面ではポゼッションやドリブルの使い分け、広い局面では思い切って仕掛けるなど、プレー技術と判断をずっと培ってくれたので、それが大学でも僕のベースになっていると思います。大学では岩渕(弘幹)監督が僕に自由を与えてくれて、いろんな新しい景色を見ることができた。本当に感謝しています」
より魅力的な選手に成長をした彼のもとには複数のJクラブが注目し、具体的なアクションを起こしているクラブもある。これから舞台は再び都リーグに戻るが、彼には過去2年連続で都リーグを制しながらも、昇格決定戦で阻まれ続けた関東2部昇格という悲願がある。
「ずっとあと一歩のところで悔しい思いをしてきた。確実に関東2部に上がりたいし、そこでもっと成長をしたい」
ステージに立つ権利さえ獲ればやれることは証明できた。だからこそ、なんとしてでも悲願達成をし、次なる高みを目指すために。平河悠の挑戦はまだ序章に過ぎない。
取材・文●安藤隆人(サッカージャーナリスト)
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