「サポーターには心から感謝しています」
――マスコミやサポーターのプレッシャーという観点から見ると、確かに日本にはそれが
少ない部分があると思います。でも一方では、イタリアはサポーターによるチームや選手への過剰な圧力や暴力という問題を抱えています。その観点から見れば日本では非常にポジティブなサポーター文化が育ってきていると思うのですが。
「イタリアのゴール裏の暴力性は、非常にネガティブな問題です。それでもイタリア・サッカーが救われているのは、ピラミッドの底辺で多くの少年たち、若者たちが情熱を持ってプレーしており、サッカーへの情熱と愛情が広く社会に根付いているからです。その中に、その情熱を解き放つ方向を間違えている人がいて、それが大きな問題を引き起こしていることは事実です。自分がサポートしているチームを攻撃したり、暴力を振るったりというのは、言語道断と言うしかありません。彼らをサポーターと呼ぶべきではないし、スタジアムに入れるべきでもないと思います。その観点から見れば日本のサポーターはイタリアのサポーターにとっても模範になると思います」
――FC東京のサポーターをどう見ていますか?
「私にとっては嬉しい驚きでした。勝っている時はもちろん、負けている時も常にチームをサポートし、力づけてくれるし、ブーイングや罵声を浴びせたりすることは決してない。物事が上手く行っている時には、誰もがいい気分になるものです。しかし我々のサポーターは、ゴールを喫してリードされた時、チームが困難に陥った時にも応援を止めず、それどころかさらに大きな声で選手たちを支えてくれる。どんなチームも、常に勝ち続けることは不可能です。敗北はサッカーの一部であり、チームは困難に陥った時こそ支えを必要としています。その観点から見れば、日本のサポーター、我々のサポーターは本当に素晴らしいと思うし、彼らのサポートには心から感謝しています」
取材・文:片野道郎
【プロフィール】
マッシモ・フィッカデンティ
1967年11月6日生まれ、イタリア中部のフェルモ出身。現役時代はMFで、ヴェローナやトリノなどに在籍。引退後の2002年に指導者となり、古巣ヴェローナやレッジーナ、ピアチェンツァなどの監督を歴任し、10-11シーズンにはセリエAのチェゼーナで長友佑都を指導した。11年から率いたカリアリでは解任・再登板・解任とオーナーに振り回され、これといった結果を残せなかったが、組織構築には定評がある。
少ない部分があると思います。でも一方では、イタリアはサポーターによるチームや選手への過剰な圧力や暴力という問題を抱えています。その観点から見れば日本では非常にポジティブなサポーター文化が育ってきていると思うのですが。
「イタリアのゴール裏の暴力性は、非常にネガティブな問題です。それでもイタリア・サッカーが救われているのは、ピラミッドの底辺で多くの少年たち、若者たちが情熱を持ってプレーしており、サッカーへの情熱と愛情が広く社会に根付いているからです。その中に、その情熱を解き放つ方向を間違えている人がいて、それが大きな問題を引き起こしていることは事実です。自分がサポートしているチームを攻撃したり、暴力を振るったりというのは、言語道断と言うしかありません。彼らをサポーターと呼ぶべきではないし、スタジアムに入れるべきでもないと思います。その観点から見れば日本のサポーターはイタリアのサポーターにとっても模範になると思います」
――FC東京のサポーターをどう見ていますか?
「私にとっては嬉しい驚きでした。勝っている時はもちろん、負けている時も常にチームをサポートし、力づけてくれるし、ブーイングや罵声を浴びせたりすることは決してない。物事が上手く行っている時には、誰もがいい気分になるものです。しかし我々のサポーターは、ゴールを喫してリードされた時、チームが困難に陥った時にも応援を止めず、それどころかさらに大きな声で選手たちを支えてくれる。どんなチームも、常に勝ち続けることは不可能です。敗北はサッカーの一部であり、チームは困難に陥った時こそ支えを必要としています。その観点から見れば、日本のサポーター、我々のサポーターは本当に素晴らしいと思うし、彼らのサポートには心から感謝しています」
取材・文:片野道郎
【プロフィール】
マッシモ・フィッカデンティ
1967年11月6日生まれ、イタリア中部のフェルモ出身。現役時代はMFで、ヴェローナやトリノなどに在籍。引退後の2002年に指導者となり、古巣ヴェローナやレッジーナ、ピアチェンツァなどの監督を歴任し、10-11シーズンにはセリエAのチェゼーナで長友佑都を指導した。11年から率いたカリアリでは解任・再登板・解任とオーナーに振り回され、これといった結果を残せなかったが、組織構築には定評がある。