【試合内容】
　攻撃的なチーム同士の対戦でオープンな試合展開になるかと思いきや、川崎が急きょ３バックを採用して臨んだこともあり、序盤は互いに手堅い“手探り”の状況が続いた。試合が動いたのは前半終了間際。川崎がセットプレーから先制点を奪うも、その３分後に武富に個人技から同点弾を許し、１－１で前半を折り返す。
 
　後半、４バックでスタートした川崎だったが、柏の攻守の切り替えについて行けず、48分、59分と左サイドから崩されて立て続けに失点。終盤にはカウンターでダメ押しの４点目を奪われた。最後まで攻撃のスイッチが入らず、選手たちはもどかしさの残る表情でスタジアムを後にした。

【J１採点＆寸評】１stステージ・８節｜全９試合の評価をチェック！

【J１ PHOTOハイライト】１stステージ・８節
 
【チーム採点】
川崎　５
リーグ最多得点を誇る攻撃力はどこへやら。攻撃の際、WBが出るのか、ボランチが出るのか、意思疎通が図れていなかったのが響いた。
 
柏　７
川崎が自滅した点は加味すべきだが、自分たちのスタイルを貫いて手にした勝利は自信になるはず。攻撃陣の充実ぶりも好材料だ。
 
【川崎｜採点・寸評】
GK
21　西部洋平　5.5
今季ワーストの４失点。それでも少なくとも３度の好セーブでピンチを防ぐなど、個人のパフォーマンスとしては決して悪くなかった。
 
DF
17　武岡優斗　4.5
先発出場もキック、球際、対人の守備、状況判断でことごとく精彩を欠く。柏に攻勢を許す悪い流れを作ってしまった責任は大きい。
 
３　角田　誠　5.5
クロスに対してボールウォッチャーとなった２失点目以外は、リベロとしてまずまずの働き。63分での途中交代に悔しさを滲ませた。
 
５　谷口彰悟　5.5
セットプレーからヘッドで今季初得点。くさびのパスに鋭く反応して相手FWに前を向かせなかった前半のプレーを、後半も続けたかった。
 
MF
14　中村憲剛　５
武富のゴール時、安易にボールを奪いに行き、カウンターから被弾。攻撃陣の枚数が思うように揃わず、供給役としては苦しい試合となった。
 
16　大島僚太　５
中村とともに柏の中盤３枚に自由を奪われて機能不全に陥る。球際であっさり弾き飛ばされるなど、“らしくない”場面も目に付いた。
 
18　エウシーニョ　５
ボールに絡む回数は多かったが、仕掛けはやや空回り。周囲との連係にもミスが散見され、守備では自身のサイドを狙われて苦しんだ。
 
20　車屋紳太郎　5.5
自らのミスで失点を招く場面はなかったものの、押し込まれる時間帯が長く、持ち味が半減。自慢の高精度フィードも影を潜めた。
 
FW
10　レナト　5.5
試合開始直後は推進力を活かした突破で相手ゴールを脅かす。しかし、徐々に対面のキム・チャンスを振り切れなくなり、３戦連発はならず。
 
11　小林　悠　5.5
要所で繰り出すターンは見事だったが、連係から崩す形は見られず。柏にサイドを攻められたこともあって、攻撃に軸足を置けなかった。
 
13　大久保嘉人　５
混乱したチームの一番の“被害者”。縦パスが思うように入ってこず、まさかのシュート０本。J１通算140ゴール目はお預けとなった。
 
交代出場
MF
15　船山貴之　5.5
見せ場は73分に強烈なミドルを放ったのみ。トップ下に入って反撃の起点となるはずがアグレッシブさに欠け、物足りなさが残った。
 
FW
９　杉本健勇　5.5
柏の最終ラインに吸収され、ボールを引き出すのに苦戦。唯一巡ってきた89分のシュートチャンスも菅野のファインセーブに遭った。
 
FW
27　安　柄俊　－
３点ビハインドの難しい状況下で今季リーグ戦初出場。トドメを刺されたチームを再び前に向かせることはできず、あっという間に時間が過ぎた。
 
監督
風間八宏　4.5
３バック採用が攻撃的なチームのスタイルを曖昧にした。チームに混乱を招いただけでなく、船山、杉本の投入のタイミングも後手を踏んだ。