９月19日（現地時間）、チャンピオンズ・リーグ（CL）グループステージの第１節が行なわれ、グループHではユベントスが２-０でバレンシアを下した。
 
「CLマスター」とも言えるC・ロナウドを獲得し、悲願の欧州制覇へ強い意欲を示すユベントスがどのようなスタートを見せるかが注目された一戦。立ち上がりはメスタージャの大観衆に後押しされたバレンシアが細かくボールを繋いで攻勢に立ち、３分には早くもグエデスが中央に切れ込んでファーストシュートを放つ。

 
　対するユベントスは、９分、ボールを持つたびにブーイングを浴びるC・ロナウドが左からのカットインでシュートを放つ。
 
　これでスイッチが入ったかのように、アウェーチームは主導権を奪い、10分にはベルナルデスキの左からのクロスをファーサイドのC・ロナウドがシュート。これをゴール前でマンジュキッチがダイレクトボレーで合わせるが、わずかにクロスバーを越える。
 
　17分には、左からC・ロナウドがマーカーをかわしてクロスを入れると、ベルナルデスキの折り返しからケディラが決定機を迎えるも、フィニッシュは枠を捉えられず。さらに４分後、やはり左サイドの攻めから、ベルナルデスキ、マテュイディが立て続けにシュートを放つも、ここではGKネトの好守に阻まれた。
 
　優勢に試合を進めるユベントスだが、今度は続けてアクシデントに見舞われる。まず23分、ケディラが左足を痛めてジャンとの交代を余儀なくされた。しかし、それ以上の衝撃が襲ったのは６分後。C・ロナウドがマーカーのムリージョとのトラブルで一発退場を命じられたのだ。
 
　試合の主役のひとりでもある背番号７を突然にして失い、数的不利を負うことになったユベントスの守備の意識は、当然ながら強くなる。一方、バレンシアはボールポゼッションを高めて敵陣で試合を進め、バチュアイが惜しいシュートを放つなど、得点に近づいていく。
 
　ところが43分、久々に攻撃に転じたユベントスは、左からのクロスから、カンセロが決定的なシュート。これはクロスバーにはね返されたものの、ボールを追ったところで、パレホの高く上げた足が顔に入り、PKを獲得する。これをピャニッチが右隅に決め、先制ゴールを挙げた。
 
　後半、立ち上がりはバレンシアが積極性を見せ、48分にガヤが左サイドを抜け出して上げたクロスをロドリゴが頭で合わせるが、これはGKシュチェスニーの正面に飛ぶ。
 
　このままホームチームの攻勢が続くかと思われたが、50分、ユベントスは反撃からCKを獲得し、ボヌッチがムリージョに掴み倒されてPK獲得。再びピャニッチが右隅に決め、いきなりリードを広げることに成功した。
 
　要所を締めた守備を見せ、攻撃でも効率的にボールを繋いで敵陣に迫るユベントスに対し、バレンシアはひとり多い状況でも対応が遅れて警告を受けるなど、劣勢を強いられる。選手交代などで状況打破を試み、ポゼッションは上がるものの、決定的な場面を創出するには至らない。
 
　個々が能力を発揮し、少ない人数でも相手ゴール前まで迫ることができるユベントスは、その分、守備にも十分に人数を割き、ボールを持たれても決定的な崩しは許さず、相手のシュートをC・ソレールらの遠めからのものに限定。ゴール前ではシュチェスニーが常に立ちはだかり、彼はアディショナルタイム、パレホのPKも止めて見せた。
 
　アクシデントにも動じずに試合巧者ぶりを見せ、白星発進に成功したユベントス。しかし、C・ロナウドは次節ヤングボーイズ戦も出場停止となる。
 
　一方、数的優位に立ちながら、不必要なファウルでPKを与え、自ら流れを手放してしまうなど、試合運びや攻撃の最後の部分での拙さが目立ったバレンシア。次節はマンチェスター・ユナイテッドと対戦するが、挽回することができるだろうか。