12月１日から４日（現地時間）にかけて行なわれたリーガ・エスパニョーラの第14節では、上位陣が揃って躓くという波乱があった。

　首位のバルセロナと４位のレアル・マドリーが、それぞれセルタ（９位）、アスレティック・ビルバオ（16位）に引き分け、２位のバレンシアは、早い時間に退場者を出したヘタフェ（12位）を相手に、今シーズンの初黒星を喫している。

　セルタに先制を許したバルサは、リオネル・メッシらの活躍で一度は逆転に成功したものの、相手GKルベン・ブランコの好守もあり追加点を奪えず、逆に70分、１点目と同様にイアゴ・アスパスとマキシ・ゴメスのコンビに最終ラインを破られた。最終スコアは２-２。勝点を１しか積み上げられなかった。

　さらに、首位チームにとって痛恨だったのは、２点目を失った70分のシーンで、CBのサミュエル・ウンティティが右足の大腿二頭筋を負傷してしまったこと。診断結果は全治２か月。現在離脱中のハビエル・マスチェラーノは12月半ばの復帰予定だが、年末にクラシコ（R・マドリー戦）を控えているバルサにとって、守備の要の長期離脱は大きな痛手だ。

　この結果を受けて、翌日にヘタフェのホームに乗り込んだバレンシアは、勝てばバルサとの差を２に縮められたものの、数的優位の状況を活かせず、相手MFマルケル・ベルガラの一撃に沈んだ。バルサとの差は５に開いている。

　その一方で、首都マドリードのビッグ２と、バスクを代表する２チームの対戦は、好対照な結果に終わった。アウェーのアスレティック・ビルバオ戦に臨んだR・マドリーは、序盤から質の高い動きでホームチームを圧倒したものの、この日はカリム・ベンゼマとクリスチアーノ・ロナウドがともに決定力を欠き、スコアレスドローに終わった。

　勝ちきれなかったR・マドリーに対し、A・マドリーは気持ちの入ったプレーでレアル・ソシエダに逆転勝利。フィリペ・ルイスの意表を突く右足シュートで同点としたあと、アントワーヌ・グリエーズマンがサウール・ニゲスの折り返しを「気持ちで押し込んだ」のは、88分だった。

　日本人プレーヤーに目を向けると、復帰が近いと報じられていたヘタフェMF柴崎岳はベンチ入りもせず、エスパニョールとのホームゲームに臨んだエイバルの乾貴士は、この日も左サイドで“えぐる”という表現がぴったりな鋭いドリブルを披露。今シーズン９試合目のフル出場を果たし、チームのリーガ３連勝に貢献した。

　そして次節は、ついにその乾のエイバルと柴崎のヘタフェが対戦。両者ともに出場すれば、リーガ・エスパニョーラでは初めて「日本人対決」が実現することになる。


【リーガ・エスパニョーラ14節の結果】
マラガ　０-０　レバンテ
［得点者］なし
バルセロナ　２-２　セルタ
［得点者］バ＝メッシ（22分）、スアレス（62分）　セ＝アスパス（20分）、M・ゴメス（70分）
A・マドリー　２-１　R・ソシエダ
［得点者］A＝フィリペ（63分）、グリエーズマン（88分）　R＝W・ジョゼ（29分）
セビージャ　２-０　デポルティボ
［得点者］ベン・ヤーデル（45分）、クローン＝デーリ（79分）
A・ビルバオ　０-０　R・マドリー
［得点者］なし
レガネス　３-１　ビジャレアル
［得点者］レ＝D・リコ（72分）、エル・ザハル（81分）、ガブリエウ（90分）　ビ＝ラバ（60分）
ヘタフェ　１-０　バレンシア
［得点者］M・ベルガラ（66分）
エイバル　３-１　エスパニョール
［得点者］エ＝キケ・ガルシア（９分）、アレホ（38分）、ジョルダン（69分）　エ＝OG（79分）
ラス・パルマス　１-０　ベティス
［得点者］カレリ（19分）
ジローナ　２-３　アラベス
［得点者］ジ＝ストゥアニ（59分）、ファンペ（62分）　ア＝イバイ（71・87・90＋３分）

順位（14節終了時点）
1位　バルセロナ　勝点36
２位　バレンシア　勝点31
３位　A・マドリー　勝点30
４位　R・マドリー　勝点28
５位　セビージャ　勝点28
６位　ビジャレアル　勝点21
７位　レガネス　勝点20
８位　ヘタフェ　勝点19
９位　R・ソシエダ　勝点19
10位　セルタ　勝点18
11位　ベティス　勝点18
12位　ジローナ　勝点17
13位　エイバル　勝点17
14位　レバンテ　勝点16
15位　エスパニョール　勝点16
16位　A・ビルバオ　勝点14
17位　デポルティボ　勝点12
18位　ラス・パルマス　勝点10
19位　アラベス　勝点９
20位　マラガ　勝点８