【ベガルタ戦記】渡邉晋の『日晋月歩』|「意地を見せろ!」。大敗後の立て直し方とは

カテゴリ:連載・コラム

渡邉 晋

2017年03月19日

メンタル面の回復を第一に図った。

ルヴァンカップのFC東京戦で0-6と大敗。中二日でリーグ戦4節・柏戦を迎えるなか、「どう立て直すか」が焦点だった。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

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 仙台の渡邉晋監督による現役指揮官コラム「日晋月歩」の第4回。テーマは「反発力」だ。3節・神戸戦(0-2)に続いて、ルヴァンカップのFC東京戦でも敗戦(0-6)。4節・柏戦まで中二日と時間のないなかで、いかに立て直しを図ったのかを振り返ってもらった。
 
――◆――◆――
 
[J1リーグ4節]柏 0-1 仙台/3月18日(土)/柏
 
 特別な日の特別な試合だった3月11日の3節・神戸戦で敗北。3月15日に行なわれたルヴァンカップのFC東京戦では大敗を喫した。まずはメンタル面の回復を図らなければいけないと考えた。ただ、柏戦までは中二日とタイトだった。
 
 FC東京戦でまず気になったのは、選手たちの腰が少し引けていたこと。アグレッシブさを取り戻すと同時に、現実的な戦い方を考えると、守備から入るのもひとつの手段だ。
 
 それまでのリーグ戦3試合では、ポゼッション率で相手を上回っていた。それでも神戸戦では一瞬の隙を突かれて2失点したこともあり、まずは無失点で終わることを考えた。
 
 そのうえでのメンタル面だが、「殴られた分は殴り返すぞ」と仙台に戻ってきた日の練習で話をした。これは柏戦で遠征する18人だけではなく、全員に向けて。チームが一丸となって前に進むためにも、そういう強い想いを共有してほしかった。
 
 この「殴り返すぞ」は「得点を奪いに行くぞ」とは直結しない。ディフェンス時に、一歩でも半歩でもいいから、いかに相手に寄せるか、近くで守れるか。それをトレーニングだけでなく、試合中もずっと選手たちに言っていた。
 
 攻撃でやりたいことはたくさんある。だが、第一に念頭に置くべきは「立て直し」。殴るという表現をイメージそのままに結びつけてしまうと、足を掬われる可能性が高くなる。ましてやアウェーでの戦いだ。

 実際に、柏戦では厳しく身体を寄せられていたと思う。シュートを倍以上打たれたけれど(仙台は7本、柏は15本)、フリーだったのは2本程度。きちんとコースを限定していたし、良いパフォーマンスだった。
 
 日立柏サッカー場のピッチ状態が想像以上に良くなかった。事前にマネージャーから「今日は良くない」と情報が入っていて、アップから戻ってきた選手たちも「これまでのようにボール回しをするのは難しい」と口々に言っていた。
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