【プレミア現地コラム】レスターが起こした奇跡。その時イングランド国内は――

カテゴリ:連載・コラム

山中忍

2016年05月05日

あらゆる垣根を越えた「レスター祭日」。

『ミラー』紙は「レスターの皇帝」と呼んでこのラニエリを表敬。奇跡の立役者となった64歳の指揮官には、賞讃と祝福の声が止まらない。 (C)Getty Images

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「メーデー」で祝日だった5月2日は、奇跡の実現を祝う「レスター・デー」でもあった。
 
 その日に優勝が決まるかどうかは、チェルシーがホームに2位のトッテナムを迎えた西ロンドンでのゲームの結果に委ねられていた。
 
 逆転優勝に向けて、残りの3節をすべて勝ち続けなければならなかったトッテナムに、エデン・アザールが同点ゴールを突き刺すと、チェルシー・ファンは「レスター、レスター、チャンピオンズ!!」と合唱。試合終了の笛が鳴ると、「レスター・シティよ、おまえらのためにやってやったぞ!!」と歌いながら、サポーターは席を立っていった。
 
 時を同じくして、世間では「驚異的な優勝」を讃えるデイビッド・キャメロン英国首相のつぶきにリツイートの嵐。地域やクラブ、社会的地位の垣根を越えた「レスター祭日」の始まりだ。
 
 翌日の国内は、クラウディオ・ラニエリの「復活祭」さながら。64歳の指揮官は、自身初となる国内リーグ優勝決定直後、チェルシーのフース・ヒディンク監督によれば「電話で“サンキュー”を5回」繰り返し、「感極まって他にはなにも言えない様子」だったという。
 
 岡崎慎司が「いい人!!」と太鼓判を押すラニエリの人柄は、「下克上」を越えたレベルで躍進を遂げたレスターが、国民を惹き付けた要因のひとつでもある。いざ優勝監督になったいま、賞讃と祝福の声が止まらない。
 
『ミラー』紙は「レスターの皇帝」と呼んで表敬している。12年前の5月にはチェルシーのロシア人君主ことロマン・アブラモビッチにクビを切られ、「死刑囚」と呼ばれていたのだから、見事な復活ぶりだ。
 
 8ページに渡る『テレグラフ』紙の優勝記念特集も、両の拳を突き上げるラニエリの写真が表紙を飾っていた。
 
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